Gentoo Linux ia64 ハンドブック: Gentoo をインストールする

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はじめに

ようこそ

Gentoo へようこそ! Gentoo は、ほぼすべてのアプリケーションまたはニーズに応じて自動的に最適化してカスタマイズできる、Linux ベースの自由なオペレーティングシステムです。Gentoo は自由なソフトウェアのエコシステムの上に成り立っており、内部をユーザに隠匿することがありません。

オープンさ

Gentoo の主要なツールはシンプルなプログラミング言語から構成されています。Gentoo のパッケージ管理システムである Portage は、Python で書かれています。Portage のためにパッケージ定義を提供する ebuild は、bash で書かれています。Gentoo ユーザは、Gentoo のすべての部分のソースコードを自由に確認、変更、向上させることができます。

デフォルトでは、バグ修正または Gentoo 内での相互運用性のために必要なときだけ、パッケージにパッチが当てられます。上流のプロジェクトが提供するソースコードをバイナリ形式にコンパイルすることによって、パッケージがインストールされます (コンパイル済みバイナリパッケージにも対応はしていますが)。Gentoo の設定はテキストアフィルによって行われます。

上述の理由などから: オープンさ設計原則として組み込まれています。

選択

選択もまた Gentoo の設計原則のひとつです。

Gentoo のインストール中、ハンドブック全体を通して選択は明らかにされます。システム管理者は、完全にサポートされているふたつの init システム (Gentoo 自身による OpenRC と Freedesktop.org の systemd)、ストレージディスクのためのパーティション構造、そのディスクで使うファイルシステム、ターゲットシステムのプロファイル、USE フラグを利用した、グローバルな (システム全体の) レベルまたはパッケージ単位レベルでの機能の削除と追加、ブートローダ、ネットワーク管理ユーティリティ、などなど非常に多くのことに関して選択権を持っています。

開発思想として、Gentoo 開発者はユーザを特定のシステムプロファイルまたはデスクトップ環境を押し付けることが無いように努めています。GNU/Linux のエコシステム内で提供されるものは、Gentoo でもおそらく利用可能です。そうでない場合は、是非確認させてください。新しいパッケージのリクエストのためには、バグレポートを開くか、自身の ebuild リポジトリを作成してください。

性能

Gentoo はソースベースのオペレーティングシステムなので、新しいコンピュータ命令セットアーキテクチャにも移植することができ、かつインストールされたすべてのパッケージを調整された状態にすることができます。この強みはもうひとつの Gentoo の設計原則性能 の表れでもあります。

Gentoo のインストールとカスタマイズを完了することができれば、システム管理者はソースコードからコンパイルして調整されたオペレーティングシステムを得られます。Portage の make.conf ファイル内に含まれている仕組みを通じて、オペレーティングシステム全体をバイナリレベルで調整することができます。のぞむなら、パッケージ単位またはパッケージグループ単位での調整も行えます。実際のところ、すべての機能は USE フラグを利用して追加または削除することができます。

これらの設計原則が Gentoo をユニークにしているものであることを、ハンドブック読者が理解していることは、きわめて重要です。この優れた性能、多数の選択肢、そして究極のオープンさを強調しているため、Gentoo を使用するときは、注意力、熟慮、そして明確な意図を持って行うべきです。

インストール作業の順序

Gentoo のインストール作業工程は、次章以降で説明する10のステップに分けられます。それぞれの段階を適切に完了させましょう。

ステップ 結果
1 Gentoo をインストール可能な作業環境にします。
2 Gentoo をインストールするためのインターネット接続の準備が完了します。
3 インストールする Gentoo をホストするハードディスクを初期化します。
4 インストールする環境を準備し、新たな環境にユーザーが chroot 可能にします。
5 Gentoo をインストールする全ての場合に共通する中核的なパッケージをインストールします。
6 Linux カーネルをインストールします。
7 Gentoo システムの設定ファイルの大部分が作成されます。
8 必要なシステムツールをインストールします。
9 適切なブートローダーもインストールし設定します。
10 インストールしたての Gentoo Linux 環境に繰り出す準備が完了します。

このハンドブックでは、一定の選択肢を提示したときには必ず、賛否両論の併記に努めます。デフォルトの選択肢で進める記載をした際にも(見出しに「デフォルト:」と記載)、他に取りうる選択肢も記載します(見出しに「代替案:」と記載)。決して、「デフォルトは Gentoo のお勧めだ」と考えないでください。デフォルトはあくまでも、多くのユーザーが採用すると思われる選択肢にすぎません。

ときには、追加可能な手順が続くことがあります。そのような手順は「追加可能:」と記載します。つまりこの手順は、Gentoo のインストール自体には必須ではありません。とはいえ、以前にした決断によっては必須になる追加手順もあります。その際には、その追加手順の説明の直前に、この旨を明記するとともに、原因となった決断をした時期も記載します。

Gentoo のインストール方法

Gentoo は、さまざまな方法でインストールすることができます。ダウンロードしてインストールすることも、起動可能なISOイメージのような公式インストールメディアからインストールすることもできます。インストールメディアは USB メモリにインストールすることも、ネットワークブートすることもできます。さらには、インストール済の異なるディストリビューション環境や、(例えば Knoppix のような)Gentoo 以外のブータブルディスクといった非公式メディアからインストールすることも可能です。

この文書が扱っているのは、公式の Gentoo インストールメディアを用いる方法と、場合によってはネットワークブートによる方法です。

メモ
Gentoo 以外の起動可能なメディアを用いる場合などの、ほかのインストール方法については、代替のインストールガイドを読んでください。

また、我々が提供している Gentoo インストールのヒントとトリックという文書も役にたつかもしれません。

トラブルがあったときは

インストール中に (またはインストールを説明しているハンドブックに) 何か問題を見つけたら、バグトラッキングシステムで既知のバグとして報告されていないかどうか、確認してみてください。 もし無いようであれば、私たちが対応できるように、その問題をバグ報告してください。 その (あなたが報告した) バグを担当する開発者たちを恐れないでください。取って喰われるようなことは (滅多に) ありませんから。

あなたが今読んでいる文書は、特定のアーキテクチャ向けということになっていますが、 他のアーキテクチャの情報も、その中に紛れ込んでしまっているかもしれない、ということを一応、先に言っておきます。これはGentooハンドブックの多くの部分が、全てのアーキテクチャに共通のテキストを使用していることに因ります (重複作業を減らすため)。混乱しないように、このような参照は最小限に抑えています。

その問題が、ユーザーの問題 (文書をよく読んだにもかかわらず起きたあなたのミス) なのか、ソフトウェアの問題 (インストール/文書をよくテストしたにもかかわらず起きた私たちのミス) なのか、はっきりしないときには、irc.libera.chat の #gentoo (webchat) チャンネルに気軽に参加してみてください。そんなときじゃなくても全然かまわないんですけどね。

そういえば、Gentoo について何か分からないことがあったら、よくある質問を見てみてください。Gentoo Forums 上にある FAQs もあります。





ハードウェア要件

インストールのプロセスに進む前に、ia64 システムアーキテクチャに対して首尾よく Gentoo をインストールするためには、最小ハードウェア要件を満たすべきです。


ほとんどすべての IA64 で、Gentoo をブートすることができます。現段階では LiveCD しかありませんので、CD-ROM ドライブが必要です。


Gentoo Linux インストールメディア

ヒント
非 Gentoo 系の他のインストールメディアを使用しても構いませんが、公式メディアをおすすめします。Gentoo インストールメディアは、live OS 環境に必要なツールが含まれていることを確実にするものです。非 Gentoo 系メディアを使う場合は、ディスクの準備に移動してください。

Minimal インストール CD

Gentoo MinimalインストールCDは、自己完結したGentoo環境である、ブート可能イメージです。このCDを使うとLinuxをCDやその他のインストールメディアから起動することができます。起動時、接続されたハードウェアが検出されて適切なドライバが読み込まれます。 このイメージは、Gentooの開発者によってメンテナンスされるもので、インターネット接続さえできれば誰でもGentooをインストールできるようにします。

MinimalインストールCDは、install-ia64-minimal-<release>.isoと呼ばれます。

必要なときに使う Gentoo LiveDVD

必要な場合に使う、Gentooをインストール用の特別なDVDイメージが作成されています。この章で説明する方法は、MinimalインストールCDをターゲットにしているので、LiveDVDから起動する場合と少々の差異があるかもしれません。しかしLiveDVD (または他の公式 Gentoo Linux 環境) は、ターミナル上で単純にsudo su -またはsudo -iを実行するだけで、rootプロンプトの取得を行えます。

Stage とは?

stage3 tarballは、プロファイル特有でかつ最小限のGentoo環境を含んだアーカイブで、このハンドブックに従ってインストールを進めるのに適しています。以前は、このハンドブックでは3つのstage tarballsから1つを選ぶインストール方法を説明していました。Gentooはもうstage1とstage2のtarballをダウンロード用に提供していません。これは、これらが内部使用のためであること、そして新しいアーキテクチャに対するブートストラップとして使用されているためです。

stage3 tarballは、公式Gentooミラーのいずれか のreleases/ia64/autobuilds/からダウンロードできます。stageファイルは頻繁に更新され、公式のインストールイメージの中には含まれていません。

ダウンロード

メディアの入手

Gentoo Linuxが使う既定のインストールメディアは、MinimalインストールCDで、とても小さいブータブルGentoo Linux環境を格納しています。この環境はGentooをインストールするために最適なツールをすべて含んでいます。このCDのイメージは、ダウンロードページから(推奨)か、たくさんの利用可能なミラーのいずれかを自分で選び、そのミラー上でISOが置いてある場所を訪れることで、ダウンロードできます。

ミラーからダウンロードするなら、以下の場所でMinimalインストールCDを見つけられます:

  1. releases/ディレクトリに行く。
  2. 関連するターゲットアーキテクチャのディレクトリ(例えばia64/)を選択する。
  3. autobuilds/ディレクトリを選択する。
  4. amd64x86アーキテクチャでは、それぞれcurrent-install-amd64-minimal/ or current-install-x86-minimal/のどちらかを選択する。他のすべてのアーキテクチャでは、current-iso/ディレクトリへ進む。
メモ
armmipss390 のような一部のターゲットアーキテクチャには、Minimal インストール CD がありません。現時点では、Gentoo Release Engineering project はこれらのターゲット向けの .iso ファイルの作成をサポートしていません。

この場所の中では、インストールメディアファイルは.isoという接尾辞 (拡張子) を持ちます。例えば、以下の一覧を見てみてください。

コード releases/ia64/autobuilds/current-iso/におけるダウンロード可能なファイルの一覧の例
[DIR] hardened/                                          05-Dec-2014 01:42    -   
[   ] install-ia64-minimal-20141204.iso                 04-Dec-2014 21:04  208M  
[   ] install-ia64-minimal-20141204.iso.CONTENTS        04-Dec-2014 21:04  3.0K  
[   ] install-ia64-minimal-20141204.iso.DIGESTS         04-Dec-2014 21:04  740   
[TXT] install-ia64-minimal-20141204.iso.asc             05-Dec-2014 01:42  1.6K  
[   ] stage3-ia64-20141204.tar.bz2                      04-Dec-2014 21:04  198M  
[   ] stage3-ia64-20141204.tar.bz2.CONTENTS             04-Dec-2014 21:04  4.6M  
[   ] stage3-ia64-20141204.tar.bz2.DIGESTS              04-Dec-2014 21:04  720   
[TXT] stage3-ia64-20141204.tar.bz2.asc                  05-Dec-2014 01:42  1.5K

上記の例では、install-ia64-minimal-20141204.isoというファイルがMinimalインストールCDそのものです。 しかし見て分かりますが、他の関係ファイルも存在しています:

  • .CONTENTSファイルは、インストールメディアで利用可能な全てのファイルの一覧を含むテキストファイルです。このファイルは、インストールメディアをダウンロードする前に、特定のファームウェアまたはドライバが含まれているかどうか調べるために使えます。
  • .DIGESTSファイルは、様々なハッシュ形式とアルゴリズムで計算したISOファイルのハッシュ値を含んでいます。このファイルは、ダウンロードしたISOファイルが破損しているか否かを調べるために使われます。
  • .ascファイルは、ISOファイルのデジタル署名です。これは両方ともダウンロードしたファイルが破損しているか否かを調べるために使われますが、同様にダウンロードしたものがGentooリリースエンジニアリングチームによって実際に提供されたものであり、改竄されていないかを調べるためにも用います。

今のところ、この場所で利用可能な他のファイルは無視してください。インストールがもっと進んだ後に再登場しますので。.isoファイルをダウンロードし、もしダウンロードの検証が必要であれば、.isoファイル用の.iso.ascファイルも同じようにダウンロードします。 .CONTENTSファイルはダウンロードする必要はありません。これからのインストール手順ではもう参照しないからです。.iso.ascファイル内の署名を検証する場合は、.DIGESTSファイルは不要です。

ダウンロードしたファイルを検証する

メモ
これは任意自由選択なステップで、Gentoo Linux をインストールするために必須なものではありません。しかしながら、ダウンロードしたファイルが破損していないことを確かめ、Gentoo インフラストラクチャチームから実際に提供されていることを保証するため、推奨されます。

.asc ファイルは ISO のデジタル署名を提供します。これを検証することで、インストール・ファイルが Gentoo リリースエンジニアリングチームによって提供された状態のまま、変更されていないということを確認できます。

Microsoft Windows 上での検証

まずデジタル署名を検証するには、例えばGPG4Winのようなツールを利用できます。インストール後、Gentooリリースエンジニアリングチームの公開鍵をインポートする必要があります。鍵の一覧は署名のページで提供されています。インポート後、ユーザは.ascファイル内の署名を検証できるようになります。

Linux 上での検証

Linuxシステムでは、デジタル署名を検証する最も一般的な方法はapp-crypt/gnupgソフトウェアを使うことです。このパッケージがインストールされていると、.ascファイル内のデジタル署名を検証するために以下のコマンドが使えます。

まず、適切な鍵を利用できるようにするため、署名のページよりダウンロードします:

user $gpg --keyserver hkps://keys.gentoo.org --recv-keys 0xBB572E0E2D182910
gpg: requesting key 0xBB572E0E2D182910 from hkp server pool.sks-keyservers.net
gpg: key 0xBB572E0E2D182910: "Gentoo Linux Release Engineering (Automated Weekly Release Key) <releng@gentoo.org>" 1 new signature
gpg: 3 marginal(s) needed, 1 complete(s) needed, classic trust model
gpg: depth: 0  valid:   3  signed:  20  trust: 0-, 0q, 0n, 0m, 0f, 3u
gpg: depth: 1  valid:  20  signed:  12  trust: 9-, 0q, 0n, 9m, 2f, 0u
gpg: next trustdb check due at 2018-09-15
gpg: Total number processed: 1
gpg:         new signatures: 1

代わりに、WKD を使用してダウンロードすることも可能です:

user $gpg --auto-key-locate=clear,nodefault,wkd --locate-key releng@gentoo.org
gpg: key 0x9E6438C817072058: public key "Gentoo Linux Release Engineering (Gentoo Linux Release Signing Key) <releng@gentoo.org>" imported
gpg: key 0xBB572E0E2D182910: public key "Gentoo Linux Release Engineering (Automated Weekly Release Key) <releng@gentoo.org>" imported
gpg: Total number processed: 2
gpg:               imported: 2
gpg: public key of ultimately trusted key 0x58497EE51D5D74A5 not found
gpg: public key of ultimately trusted key 0x1F3D03348DB1A3E2 not found
gpg: marginals needed: 3  completes needed: 1  trust model: pgp
gpg: depth: 0  valid:   2  signed:   0  trust: 0-, 0q, 0n, 0m, 0f, 2u
pub   dsa1024/0x9E6438C817072058 2004-07-20 [SC] [expires: 2024-01-01]
      D99EAC7379A850BCE47DA5F29E6438C817072058
uid                   [ unknown] Gentoo Linux Release Engineering (Gentoo Linux Release Signing Key) <releng@gentoo.org>
sub   elg2048/0x0403710E1415B4ED 2004-07-20 [E] [expires: 2024-01-01]

または、公式 Gentoo リリースメディアを使用している場合は、(sec-keys/openpgp-keys-gentoo-release によって提供される) /usr/share/openpgp-keys/gentoo-release.asc から鍵をインポートしてください:

user $gpg --import /usr/share/openpgp-keys/gentoo-release.asc
gpg: directory '/home/larry/.gnupg' created
gpg: keybox '/home/larry/.gnupg/pubring.kbx' created
gpg: key DB6B8C1F96D8BF6D: 2 signatures not checked due to missing keys
gpg: /home/larry/.gnupg/trustdb.gpg: trustdb created
gpg: key DB6B8C1F96D8BF6D: public key "Gentoo ebuild repository signing key (Automated Signing Key) <infrastructure@gentoo.org>" imported
gpg: key 9E6438C817072058: 3 signatures not checked due to missing keys
gpg: key 9E6438C817072058: public key "Gentoo Linux Release Engineering (Gentoo Linux Release Signing Key) <releng@gentoo.org>" imported
gpg: key BB572E0E2D182910: 1 signature not checked due to a missing key
gpg: key BB572E0E2D182910: public key "Gentoo Linux Release Engineering (Automated Weekly Release Key) <releng@gentoo.org>" imported
gpg: key A13D0EF1914E7A72: 1 signature not checked due to a missing key
gpg: key A13D0EF1914E7A72: public key "Gentoo repository mirrors (automated git signing key) <repomirrorci@gentoo.org>" imported
gpg: Total number processed: 4
gpg:               imported: 4
gpg: no ultimately trusted keys found

次にデジタル署名を検証します:

user $gpg --verify install-ia64-minimal-20141204.iso.asc
gpg: Signature made Fri 05 Dec 2014 02:42:44 AM CET
gpg:                using RSA key 0xBB572E0E2D182910
gpg: Good signature from "Gentoo Linux Release Engineering (Automated Weekly Release Key) <releng@gentoo.org>" [unknown]
gpg: WARNING: This key is not certified with a trusted signature!
gpg:          There is no indication that the signature belongs to the owner.
Primary key fingerprint: 13EB BDBE DE7A 1277 5DFD  B1BA BB57 2E0E 2D18 2910

すべてが確実であることを完全に確かめるために、表示された指紋がGentooの署名のページ上にある指紋かどうかを調べます。

ディスクに書き込む

もちろん、ISOファイルをダウンロードしただけでは、Gentoo Linuxのインストールは始められません。ISOファイルはブートCDに書き込む必要があり、しかもISOファイルそのものではなく、ISOファイルの中身を書き込む必要があります。以下にいくつかのよく使われる方法を示します--より詳細な情報が知りたい場合はISOファイルの書き込みについてのわたしたちのFAQを見てください。

Microsoft Windows 7 以降での書き込み

Microsoft Windows 7 以降のバージョンでは、サードパーティ製のソフトウェアを必要とすることなく、ISO イメージをマウントし書き込むことができます。単純に書き込み可能なディスクを挿入し、ダウンロードした ISO ファイルをブラウズし、右クリックして「ディスクイメージの書き込み」を選択してください。

Linux での書き込み

Linuxでは、app-cdr/cdrtoolsパッケージにあるcdrecordユーティリティで、ISOイメージを書き込みことができます。

/dev/sr0デバイス(これはシステム上の1番目のCDデバイスです。必要ならば正しいデバイスに置き換えてください)のCDにISOファイルを書き込むには:

user $cdrecord dev=/dev/sr0 install-ia64-minimal-20141204.iso

GUIを好むユーザーはkde-apps/k3bパッケージの一部であるK3Bを使うことができます。K3Bでは、ToolsメニューからBurn CD Imageを選択してください。

起動する

インストレーション CD から起動する

インストールCDに書き込んだら、これを起動しましょう。すべてのCDをCDドライバから取り出し、GentooインストールCDを挿入してください。システムを再起動し、コンソールでEFIファームウェアが読み込むのを待ってください。選択のための正確なオプションはハードウェアによって異なります。

Most implementations usually present an option directly on the first menu (the EFI Boot Manager). The exact wording would differ but would usually be something like "CD Boot", "Removable Media Boot" or "Internal Bootable DVD". Select this option.

If the EFI implementation does not present such an option, boot the CD using the EFI Shell. All implementations will present an option to enter the shell on the Boot Manager menu. Select this option. The EFI Shell will display a list of usable block devices (blkn:) and also a list of filesystems the EFI Shell can actually access (fsn:).

In most cases the option will be the fs0: choice; regardless, (provided the CD drive recognizes the CD), one fsn entry for the CD drive (the CD drive's EFI device path will contain CDROM in the wording) will be displayed. Enter fsn:, replacing n as required and including the colon, followed by the Enter key. Next just type elilo followed by the Enter key.

The ELILO boot message is up next, and asks the user to enter a kernel to boot as well as any additional options to pass to the kernel command line. In most cases just hit the Enter key or wait five seconds. Only one kernel is supplied on the IA64 installation CD, the gentoo kernel.

Several kernel aliases are provided which add extra options to the kernel command line, which may need to be used instead of the default gentoo option depending on the hardware:

  • The gentoo-serial option forces a serial console on the first serial port (ttyS0) at 9600bps. This may be required on some older EFI implementations where the kernel can't detect what console to use. Try this option if booting the default gentoo kernel produces no output and if a serial console is used. If the serial console is not connected to the the first serial port then manually select the console by typing gentoo console=ttyS#,9600 where # is the number of the serial port.
  • The gentoo-ilo option forces a serial console on the ttyS3 serial port at 9600bps. This should be used when installing using the HP iLO remote console feature.
  • The gentoo-sgi option forces a serial console on the ttySG0 serial port at 115200bps. This should only be needed on SGI hardware; if the console is properly selected in the default EFI settings, or when using a video console, then this option should not be required.

It is also possible to provide additional kernel options. They represent optional settings to (de)activate at will.

Hardware options
acpi=on This loads support for ACPI and also causes the acpid daemon to be started by the CD on boot. This is only needed if the system requires ACPI to function properly. This is not required for Hyperthreading support.
acpi=off Completely disables ACPI. This is useful on some older systems and is also a requirement for using APM. This will disable any Hyperthreading support of your processor.
console=X This sets up serial console access for the CD. The first option is the device, usually ttyS0 on x86, followed by any connection options, which are comma separated. The default options are 9600,8,n,1.
dmraid=X This allows for passing options to the device-mapper RAID subsystem. Options should be encapsulated in quotes.
doapm This loads APM driver support. This also requires that acpi=off.
dopcmcia This loads support for PCMCIA and Cardbus hardware and also causes the pcmcia cardmgr to be started by the CD on boot. This is only required when booting from PCMCIA/Cardbus devices.
doscsi This loads support for most SCSI controllers. This is also a requirement for booting most USB devices, as they use the SCSI subsystem of the kernel.
sda=stroke This allows the user to partition the whole hard disk even when the BIOS is unable to handle large disks. This option is only used on machines with an older BIOS. Replace sda with the device that requires this option.
ide=nodma This forces the disabling of DMA in the kernel and is required by some IDE chipsets and also by some CDROM drives. If the system is having trouble reading from the IDE CDROM, try this option. This also disables the default hdparm settings from being executed.
noapic This disables the Advanced Programmable Interrupt Controller that is present on newer motherboards. It has been known to cause some problems on older hardware.
nodetect This disables all of the autodetection done by the CD, including device autodetection and DHCP probing. This is useful for doing debugging of a failing CD or driver.
nodhcp This disables DHCP probing on detected network cards. This is useful on networks with only static addresses.
nodmraid Disables support for device-mapper RAID, such as that used for on-board IDE/SATA RAID controllers.
nofirewire This disables the loading of Firewire modules. This should only be necessary if your Firewire hardware is causing a problem with booting the CD.
nogpm This disables gpm console mouse support.
nohotplug This disables the loading of the hotplug and coldplug init scripts at boot. This is useful for doing debugging of a failing CD or driver.
nokeymap This disables the keymap selection used to select non-US keyboard layouts.
nolapic This disables the local APIC on Uniprocessor kernels.
nosata This disables the loading of Serial ATA modules. This is used if the system is having problems with the SATA subsystem.
nosmp This disables SMP, or Symmetric Multiprocessing, on SMP-enabled kernels. This is useful for debugging SMP-related issues with certain drivers and motherboards.
nosound This disables sound support and volume setting. This is useful for systems where sound support causes problems.
nousb This disables the autoloading of USB modules. This is useful for debugging USB issues.
slowusb This adds some extra pauses into the boot process for slow USB CDROMs, like in the IBM BladeCenter.
Logical volume/device management
dolvm This enables support for Linux's Logical Volume Management.
Other options
debug Enables debugging code. This might get messy, as it displays a lot of data to the screen.
docache This caches the entire runtime portion of the CD into RAM, which allows the user to umount /mnt/cdrom and mount another CDROM. This option requires that there is at least twice as much available RAM as the size of the CD.
doload=X This causes the initial ramdisk to load any module listed, as well as dependencies. Replace X with the module name. Multiple modules can be specified by a comma-separated list.
dosshd Starts sshd on boot, which is useful for unattended installs.
passwd=foo Sets whatever follows the equals as the root password, which is required for dosshd since the root password is by default scrambled.
noload=X This causes the initial ramdisk to skip the loading of a specific module that may be causing a problem. Syntax matches that of doload.
nonfs Disables the starting of portmap/nfsmount on boot.
nox This causes an X-enabled LiveCD to not automatically start X, but rather, to drop to the command line instead.
scandelay This causes the CD to pause for 10 seconds during certain portions the boot process to allow for devices that are slow to initialize to be ready for use.
scandelay=X This allows the user to specify a given delay, in seconds, to be added to certain portions of the boot process to allow for devices that are slow to initialize to be ready for use. Replace X with the number of seconds to pause.
メモ
The CD will check for no* options before do* options, so that options can be overriden in the exact order specified.

Next the user will be greeted with a boot screen and progress bar. If the installation is done on a system with a non-US keyboard, make sure to immediately press Alt+F1 to switch to verbose mode and follow the prompt. If no selection is made in 10 seconds the default (US keyboard) will be accepted and the boot process will continue. Once the boot process completes, the user is automatically logged in to the "Live" Gentoo Linux environment as the root user, the super user. A root prompt is displayed on the current console, and one can switch to other consoles by pressing Alt+F2, Alt+F3 and Alt+F4. Get back to the one started on by pressing Alt+F1.


例外的なハードウェア構成

インストールメディアが起動するとき、すべてのハードウェア機器を検出して適切なカーネルモジュールを読み込もうとします。これは非常に多くの場合、とても良い仕事をします。しかしある場合において、システムに必要なカーネルモジュールを自動で読み込まないかもしれません。PCI自動検出機能がシステムのハードウェアを見逃した場合、適切なカーネルモジュールを手動で読み込む必要があります。

次の例は、(ある種類のネットワークインタフェイスをサポートする) 8139tooモジュールを読み込みます:

root #modprobe 8139too

追加可能: ユーザアカウント

インストール環境に他の人たちがアクセスする必要があったり、インストールメディア上で非rootユーザでコマンドを実行する(例えば、セキュリティ上の理由から、root権限無しでirssiを使ってチャットする)必要があるなら、別のユーザアカウントを作成し、強いrootパスワードを設定する必要があります。

rootパスワードを変更するには、passwdユーティリティを使ってください:

root #passwd
New password: (新しいパスワードを入力)
Re-enter password: (もう一度新しいパスワードを入力)

ユーザーアカウントを作成するためには、まずアカウントの資格情報を、次にパスワードを入力します。このために、useraddpasswdコマンドを使います。

次の例では、johnというユーザが作成されます:

root #useradd -m -G users john
root #passwd john
New password: (Enter john's password)
Re-enter password: (Re-enter john's password)

現在のrootユーザから新しく作成したユーザアカウントに切り替えるには、suコマンドを使ってください:

root #su - john

追加可能:インストール中のドキュメント閲覧

TTY

Gentooハンドブックをインストール中に見るには、最初に上記の方法でユーザアカウントを作ってください。そしてAlt+F2を押すことで新しい端末 (TTY) を使い始められます。

インストール中、 linksコマンドでGentooハンドブックを閲覧できます。もちろん、インターネット接続が機能し始めた瞬間からですけど。

user $links https://wiki.gentoo.org/wiki/Handbook:IA64/ja

元々の端末に戻るには、Alt+F1を押してください。

ヒント
Gentoo minimal または Gentoo 管理環境にブートすると、7 つの TTY が利用できるでしょう。Alt を押しながらファンクションキー F1-F7 を押すことで切り換えることができます。作業が完了するのを待ちながらドキュメントを開きたいときなどは、ターミナルを切り換えると便利でしょう。

GNU Screen

公式 Gentoo インストールメディアにはデフォルトで Screen ユーティリティがインストールされています。熟練の Linux ファンにとっては、上に書いた複数の TTY を使う方法よりも、ペインを分割してインストール指示を読むために screen を使うほうが効率がいいかもしれません。

追加可能:SSH デーモンの開始

他のユーザーがインストール中にシステムにアクセスできるようにする(インストール中のサポートをしたり、あるいは全て遠隔操作で行うため)ためには、(前述の通り)ユーザーアカウントを作成し、SSHデーモンを起動する必要があります。

OpenRC 上で SSH デーモンを始動させるためには、次のコマンドを実行します:

root #rc-service sshd start
メモ
ユーザーがシステムにログオンすると、(指紋・fingerprint と呼ばれるもので) ホスト鍵を確認するようメッセージが表示されると思います。これはSSHサーバーへの最初の接続では期待される典型的な挙動です。ところが、この後の手順でシステムのセットアップが完了した後、改めてログオンしようとすると、SSHクライアントはホスト鍵が変更されていると警告します。SSH的には別のサーバー (現在インストールに使っているLive環境ではなく、新しくインストールされた Gentoo システム) にログオンしようとしているように見えるのです。この場合は画面上の指示に従い、クライアント側で記憶しているホスト鍵を更新しましょう。

sshd を使えるようにするには、ネットワークを適切に機能させる必要があります。ネットワーク設定の章を参照してください。





ネットワークの自動検出

動いているかも?

もしあなたのシステムが、DHCPサーバを持つEthernetネットワークに接続されているなら、おそらく既にネットワーク設定は自動的に完了しているでしょう。その場合には、sshscppingirssiwgetlinksなど、インストールメディアに含まれるネットワーク接続が必要な多くのコマンドはすぐに使うことができるでしょう。

インターフェース名を決定する

ifconfig コマンド

ネットワークが設定されているならば、ifconfigコマンドで、lo以外のネットワークインターフェースを一覧表示できるはずです。次の例ではeth0が見えています:

root #ifconfig
eth0      Link encap:Ethernet  HWaddr 00:50:BA:8F:61:7A
          inet addr:192.168.0.2  Bcast:192.168.0.255  Mask:255.255.255.0
          inet6 addr: fe80::50:ba8f:617a/10 Scope:Link
          UP BROADCAST RUNNING MULTICAST  MTU:1500  Metric:1
          RX packets:1498792 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0
          TX packets:1284980 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0
          collisions:1984 txqueuelen:100
          RX bytes:485691215 (463.1 Mb)  TX bytes:123951388 (118.2 Mb)
          Interrupt:11 Base address:0xe800 

predictable network interface names へ移行した結果、システム上のインターフェース名は古い命名規則による eth0 とはかなり違うものになっているかもしれません。最近のインストールメディアは eno0ens1enp5s0 など、命名規則に則ったネットワークインターフェース名を表示するかもれません。ifconfig の出力から、あなたのローカルネットワーク上の IP アドレスが設定されたインターフェースを探してください。

ヒント
標準の ifconfig コマンドを使ってインターフェースが表示されないなら、同コマンドを -a オプション付きで使ってみてください。このオプションは、システムが検出したすべてのネットワークインターフェースを、その状態が up であるか down であるかに関わらず、強制的に表示させます。ifconfig -a が何の効果もないのなら、ハードウェアに問題があるか、そのインターフェースのためのドライバがカーネルにロードされていないかです。どちらの状況も、このハンドブックの対象範囲を外れています。#gentoo (webchat) に助けを求めてください。

ip コマンド

ifconfig の代替として、インターフェース名を決定するために ip コマンドが使えます。次の例に ip addr の出力を示します。別のシステムでの出力なので、表示される情報は前の例とは異なっています:

root #ip addr
2: eno1: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc pfifo_fast state UP group default qlen 1000
    link/ether e8:40:f2:ac:25:7a brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
    inet 10.0.20.77/22 brd 10.0.23.255 scope global eno1
       valid_lft forever preferred_lft forever
    inet6 fe80::ea40:f2ff:feac:257a/64 scope link 
       valid_lft forever preferred_lft forever

この例でのインターフェース名は、番号のすぐ後ろに続いている、eno1 です。

以降、このドキュメントでは、扱っているネットワークインターフェース名はeth0であると仮定します。

追加可能: web プロキシを設定する

web プロキシを経由してインターネットにアクセスしている場合は、Portage が対応している各プロトコルごとに正しくプロキシにアクセスできるように、プロキシ情報を定義する必要があります。Portage は wget および rsync の取得手法を介してパッケージをダウンロードするために、http_proxyftp_proxy、および RSYNC_PROXY 環境変数を参照します。

links など、特定のテキストモード web ブラウザも、web プロキシ設定を定義する環境変数を利用することができます。特に、HTTPS アクセスのために https_proxy 環境変数も定義する必要があるでしょう。Portage は追加の実行時パラメータを渡さなくても影響を受けますが、links にはプロキシ設定のパラメータを設定する必要があるでしょう。

ほとんどの場合、プロキシサーバのホスト名を使って環境変数を定義するだけで十分です。以下の例では、プロキシサーバのホスト名は proxy.gentoo.org、ポート番号は 8080 であるとしましょう。

メモ
以下のコマンド中の # 記号はコメントです。これらは説明のためだけに追加されているもので、コマンドを入力するときに打ち込む必要はありません

HTTP プロキシ (HTTP と HTTPS 通信のため) を定義するには:

root #export http_proxy="http://proxy.gentoo.org:8080" # Portage と Links に適用されます
root #export https_proxy="http://proxy.gentoo.org:8080" # Links にのみ適用されます

HTTP プロキシが認証を必要とする場合は、次の構文でユーザ名とパスワードを設定してください:

root #export http_proxy="http://username:password@proxy.gentoo.org:8080" # Portage と Links に適用されます
root #export https_proxy="http://username:password@proxy.gentoo.org:8080" # Links にのみ適用されます

プロキシサポートのためには以下のパラメータを使用して links を開始します:

user $links -http-proxy ${http_proxy} -https-proxy ${https_proxy}

Portage と links のために FTP プロキシを定義するには:

root #export ftp_proxy="ftp://proxy.gentoo.org:8080" # Portage と Links に適用されます

FTP プロキシのためには以下のパラメータを使用して links を開始します:

user $links -ftp-proxy ${ftp_proxy}

Portage のために RSYNC プロキシを定義するには:

root #export RSYNC_PROXY="proxy.gentoo.org:8080" # Portage に適用されます; Links は rsync プロキシをサポートしていません

ネットワークのテスト

あなたのISPのDNSサーバ(/etc/resolv.confで見つかります)と、好きなウェブサイトへのpingを試してみましょう。これにより、ネットワークが正常に機能しているか、ネットワークパケットがインターネットに到達できるか、DNS名前解決が正常に機能しているか、等のことを確認できます。

root #ping -c 3 www.gentoo.org

これがすべてうまくいくのなら、この章の残りの部分を読み飛ばして、インストールマニュアルの次のステップ(ディスクの準備)へ進むことができます。

自動でのネットワーク設定

起動しただけではネットワークが使えない場合は、インストールメディアにnet-setup(通常のネットワークや無線ネットワーク用)や、pppoe-setup(ADSL用)や、pptp (PPTP用)などのツールが含まれているなら、それらを使って設定できます。

お使いのインストールメディアがこれらのツールを含んでいない場合は、手動でのネットワーク設定へ進んでください。

デフォルト: net-setupを使う

ネットワークが自動で設定されなかった場合に、ネットワークを設定するための最も簡単な方法がnet-setupスクリプトを実行することです:

root #net-setup eth0

net-setupはあなたのネットワーク環境について、いくつかの質問をします。すべてに答えると、ネットワーク接続が使えるようになるはずです。上に書いた方法でネットワークをテストしてください。すべてのテストをパスできたなら、おめでとうございます! この章の残りを飛ばしてディスクの準備へ進みましょう。

それでもネットワークが使えない場合は、手動でのネットワーク設定へ進んでください。

代替案: PPPを使う

インターネットへの接続にPPPoEが必要なら、インストールCD(どのバージョンでも可)に含まれるpppが設定を楽にしてくれます。提供されるpppoe-setupスクリプトを使ってネットワークを設定しましょう。セットアップ中には、ADSLモデムに接続されたEthernetデバイスの名前、ユーザ名とパスワード、DNSサーバのIPアドレス、基本的なファイアウォールが必要かどうかが聞かれます。

root #pppoe-setup
root #pppoe-start

何かがおかしいときは、/etc/ppp/pap-secrets または /etc/ppp/chap-secrets を見てユーザ名とパスワードが正しいかダブルチェックしてください。加えて、正しい Ethernet デバイスを使っているか確認してください。もし Ethernet デバイスが無い場合は、適切なネットワークモジュールをロードする必要があります。そのような場合には手動でのネットワーク設定へ進んでください。そこで適切なネットワークモジュールをロードする方法を説明します。

すべてうまくいったら、ディスクの準備へ進みましょう。

代替案: PPTPを使う

PPTPサポートが必要なら、インストールCDが提供するpptpclientを使ってください。でもその前に、設定が正しいか確認してください。/etc/ppp/pap-secretsまたは/etc/ppp/chap-secretsを編集して、正しいユーザ名/パスワードの組み合わせを設定してください。

root #nano -w /etc/ppp/chap-secrets

必要ならば/etc/ppp/options.pptpを修正してください:

root #nano -w /etc/ppp/options.pptp

これが全部終わったら、pptpを(options.pptpで設定できないオプションがあれば、それもいっしょに付けて)実行し、サーバに接続します:

root #pptp <server ipv4 address>

それではディスクの準備へ進みましょう。

手動でのネットワーク設定

適切なネットワークカーネルモジュールをロードする

インストールCDの起動時に、インストールCDはすべてのハードウェアデバイスを検出し、そのハードウェアをサポートする適切なカーネルモジュール(ドライバ)のロードを試みます。ほとんどの場合、この機能はとてもよくやってくれます。しかし稀に、存在するネットワーク機器と適切に通信するために必要なカーネルモジュールが自動でロードされないこともあります。

net-setupまたはpppoe-setupが失敗したという場合、ネットワークカードを起動時に見つけられなかった可能性があります。つまり、ユーザが適切なカーネルモジュールを手動でロードする必要があるかもしれません。

ネットワーク設定のためのカーネルモジュールの一覧を見るには、lsコマンドを使います:

root #ls /lib/modules/`uname -r`/kernel/drivers/net

お使いのネットワークデバイスのためのドライバがあった場合は、modprobeでカーネルモジュールをロードしましょう。例えば、pcnet32モジュールをロードするには:

root #modprobe pcnet32

ネットワークカードが検出されているかどうかチェックするには、ifconfigを使います。ネットワークカードが検出されていれば、以下のように表示されるでしょう(繰り返しますが、ここでのeth0は一例です):

root #ifconfig eth0
eth0      Link encap:Ethernet  HWaddr FE:FD:00:00:00:00  
          BROADCAST NOARP MULTICAST  MTU:1500  Metric:1
          RX packets:0 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0
          TX packets:0 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0
          collisions:0 txqueuelen:0 
          RX bytes:0 (0.0 b)  TX bytes:0 (0.0 b)

しかし次のようなエラーが表示される場合、ネットワークカードは検出されていません:

root #ifconfig eth0
eth0: error fetching interface information: Device not found

現在のシステムで利用可能なネットワークインターフェース名は、/sysファイルシステムを通して一覧表示できます:

root #ls /sys/class/net
dummy0  eth0  lo  sit0  tap0  wlan0

上の例では、6個のインターフェースが見つかっています。eth0がおそらく(有線の)Ethernetアダプタで、wlan0は無線のアダプタです。

ネットワークカードがこれで検出できたとして、net-setupまたはpppoe-setupをもう一度試してください(今度はうまくいくはずです)。しかし上級者のために、手動でのネットワーク設定についても説明していきます。

あなたのネットワーク構成に応じて、次の節のうちからひとつを選んでください:

DHCP を使う

DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol) を使うと、自動でネットワーク接続情報(IPアドレス、ネットマスク、ブロードキャストアドレス、ゲートウェイ、ネームサーバ、等)を受信することができます。この機能は、DHCPサーバがネットワーク内に存在しないと(または、ISPがDHCPサービスを提供していないと)動作しません。ネットワークインターフェースに接続情報を自動で受信させるようにするには、dhcpcdを使います:

root #dhcpcd eth0

DHCPサーバが提供するホスト名とドメイン名をシステムで使うようにと、ネットワーク管理者から要求されている場合もあるでしょう。そのような場合には:

root #dhcpcd -HD eth0

これが動作すれば(インターネット上のサーバ、例えばGoogleの8.8.8.8やCloudflareの1.1.1.1に、pingしてみましょう)、設定は完了です。次に進む準備ができました。この節の残りの部分を飛ばして、ディスクの準備に進みましょう。

無線接続を準備する

メモ
iwコマンドの対応状況はアーキテクチャによって異なるかもしれません。このコマンドが使えない場合は、net-wireless/iwパッケージが作業中のアーキテクチャにおいて利用可能であるか確かめてください。net-wireless/iwパッケージがインストールされていないと、iwコマンドを使用することはできないでしょう。

無線(802.11)カードを使っている場合には、まず第一に無線の設定をする必要があります。無線カードの現在の設定を確認するためには、iwを使うことができます。iwはこのようなものを表示するでしょう:

root #iw dev wlp9s0 info
Interface wlp9s0
	ifindex 3
	wdev 0x1
	addr 00:00:00:00:00:00
	type managed
	wiphy 0
	channel 11 (2462 MHz), width: 20 MHz (no HT), center1: 2462 MHz
	txpower 30.00 dBm

現在の接続を確認するには:

root #iw dev wlp9s0 link
Not connected.

または

root #iw dev wlp9s0 link
Connected to 00:00:00:00:00:00 (on wlp9s0)
	SSID: GentooNode
	freq: 2462
	RX: 3279 bytes (25 packets)
	TX: 1049 bytes (7 packets)
	signal: -23 dBm
	tx bitrate: 1.0 MBit/s
メモ
無線カードのデバイス名は、wlp9s0 の代わりに wlan0 または ra0 のような名前かもしれません。正しいデバイス名を調べるには、ip link を実行してください。

ほとんどのユーザにとって、接続するのに必要な設定は、ESSID(無線ネットワーク名とも言います)と、場合によってはWEPキー、この2つだけです。

  • まず、インターフェースがアクティブになっていることを確認してください:
root #ip link set dev wlp9s0 up
  • GentooNodeという名前のオープンネットワークに接続するには:
root #iw dev wlp9s0 connect -w GentooNode
  • 16進WEPキーを使って接続するには、キーの前にd:を付けてください:
root #iw dev wlp9s0 connect -w GentooNode key 0:d:1234123412341234abcd
  • ASCII WEPキーで接続するには:
root #iw dev wlp9s0 connect -w GentooNode key 0:some-password
メモ
無線ネットワークが WPA または WPA2 で設定されている場合には、wpa_supplicant を使う必要があります。Gentoo Linux でのネットワーク設定のさらなる情報については、Gentoo ハンドブックの無線ネットワークの章を読んでください。

iw dev wlp9s0 link を使って、無線の設定ができたか確認してください。無線が機能したら、次節(ネットワーク用語を理解する)に示す、IP レベルのネットワークオプションの設定に進むか、先に示した net-setup ツールを使ってください。

ネットワーク用語を理解する

メモ
IP アドレス、ブロードキャストアドレス、ネットマスクやネームサーバーのことを知っているなら、このサブセクションを飛ばして ifconfigroute を使うに進んでください。

もし上記のすべてが失敗したら、ネットワークは手動で設定される必要があります。これは少しも難しくありませんが、幾ばくかのネットワーク用語と基礎的な概念の知識は必要でしょう。この章を読んだあとには、ユーザーはゲートウェイが何で、ネットマスクがなんの役に立っていて、ブロードキャストアドレスがどのように作られてなぜシステムがネームサーバーを必要とするのかがわかるでしょう。

ネットワーク内部では、ホストはIPアドレス(インターネットプロトコルアドレス)によって識別されます。少なくともIPv4 (IP バージョン4)を使うときは、そのようなアドレスは0から255の間の4つの数字の組み合わせです。実際は、IPv4アドレスは32ビット(0と1の集合)からできています。例をみてみましょう。

コード IPv4アドレスの例
IP Address (数字):   192.168.0.2
IP Address (ビット): 11000000 10101000 00000000 00000010
                        -------- -------- -------- --------
                           192      168       0        2
メモ
IPv4の後継であるIPv6は128ビット(0と1の集合)を使っています。この章ではIPv4アドレスに焦点を合わせています。

そのようなIPアドレスはすべての接続可能なネットワークが関わっている範囲で一意に定まっています。つまり到達可能でありたいホストはどれも、唯一なIPアドレスを持たなければならないということです。ネットワークの内部と外部を区別するために、IPアドレスはネットワーク部とホスト部の2つの部分に分かれています。

0の並びのあとに1の並びが続くネットマスクによって、その分かれ目は記録されています。1が位置しているIPの部分はネットワーク部で、そうでない部分はホスト部です。普通は、ネットマスクはIPアドレスとして記録されるでしょう。

コード ネットワークとホストの分離の例
IP address:    192      168      0         2
            11000000 10101000 00000000 00000010
Netmask:    11111111 11111111 11111111 00000000
               255      255     255        0
           +--------------------------+--------+
                    Network              Host

言い換えると、192.168.0.14は例のネットワークの一部ですが、192.168.1.2はそうではありません。

ブロードキャストアドレスは、ネットワークと同じネットワーク部を持ち、ホスト部がすべて1であるようなIPアドレスです。同じネットワーク上にあるすべてのホストは、このIPアドレスで通信を受けられます。このアドレスは、パケットをブロードキャストするためだけに存在します。

コード ブロードキャストアドレス
IP address:    192      168      0         2
            11000000 10101000 00000000 00000010
Broadcast:  11000000 10101000 00000000 11111111
               192      168      0        255
           +--------------------------+--------+
                     Network             Host

インターネットに接続するためには、ネットワーク内のそれぞれのコンピュータは、どのホストがインターネット接続を共有してくれるのかを知っている必要があります。そのようなホストをゲートウェイといいます。ゲートウェイも普通のホストなので、普通のIPアドレスを持っています(例: 192.168.0.1)。

最初に、すべてのホストは一意にIPアドレスを持つと書きました。ホストを(IPアドレスの代わりに)名前で指定できるようにするためには、名前(例: dev.gentoo.org)をIPアドレス(例: 64.5.62.82)に変換するサービスが必要になります。このようなサービスを「ネームサービス」といいます。ネームサービスを利用するには、ネームサーバを/etc/resolv.conf内に定義しておく必要があります。

ゲートウェイがネームサーバを兼ねていることもあります。そうでない場合には、ISPが提供するネームサーバをこのファイルに書く必要があります。

まとめると、続けるには次の情報が必要になります:

ネットワーク設定項目
システムのIPアドレス 192.168.0.2
ネットマスク 255.255.255.0
ブロードキャスト 192.168.0.255
ゲートウェイ 192.168.0.1
ネームサーバ 195.130.130.5, 195.130.130.133

ifconfig と route を使う

sys-apps/net-toolsパッケージにあるツールを使うことで、通常3つのステップで手動でネットワークの設定ができます。

  1. ifconfigコマンドを使ってIPアドレスを割り当てる
  2. routeコマンドを使ってゲートウェイへのルーティングを設定する
  3. 正しいネームサーバのIPアドレスを/etc/resolv.confファイルに書いて完了

IPアドレスを割り当てるには、IPアドレス、ブロードキャストアドレス、ネットマスクの情報が必要になります。${IP_ADDR}をターゲットIPアドレスに、${BROADCAST}をターゲットブロードキャストアドレスに、${NETMASK}をターゲットネットマスクに置き換えて、次のコマンドを実行してください:

root #ifconfig eth0 ${IP_ADDR} broadcast ${BROADCAST} netmask ${NETMASK} up

routeを使ってルーティングの設定を行う場合、${GATEWAY}を適切なゲートウェイのIPアドレスに置き換えてください:

root #route add default gw ${GATEWAY}

テキストエディタを用いて/etc/resolv.confファイルを開いてください:

root #nano -w /etc/resolv.conf

必要ならば、次のテンプレートを使って、ネームサーバの情報を入力してください。${NAMESERVER1}${NAMESERVER2}は正しいネームサーバのIPアドレスに置き換えてください。複数のネームサーバを追加することが可能です:

ファイル /etc/resolv.confデフォルトのresolv.confのテンプレート
nameserver ${NAMESERVER1}
nameserver ${NAMESERVER2}

これで終わりです。インターネット上のサーバ(Googleの8.8.8.8やCloudflareの1.1.1.1など)にpingをして、ネットワークのテストを行ってください。うまくいったなら、おめでとうございます。ディスクの準備へ進んでください。





ブロックデバイスの概要

ブロックデバイス

Gentoo Linuxの、そしてLinux一般の、ブロックデバイス、パーティション、Linuxファイルシステムを含めた、ディスクやファイルシステム中心の考え方について詳しく見てみましょう。ディスクの入出力とファイルシステムについて理解することで、インストールのためのパーティションとファイルシステムを構築できるようになります。

まずはブロックデバイスについて見ていきます。SCSIドライブやシリアルATAドライブは両方とも/dev/sda/dev/sdb/dev/sdcなどのようなデバイスハンドルとしてラベル付されます。更にモダンなマシンでは、PCI ExpressベースのNVMeソリッドステートディスクは、/dev/nvme0n1/dev/nvme0n2などのようなデバイスハンドルを持ちます。

下の表は、各種のブロックデバイスがシステム上のどこにあるかを判断するのに役立つでしょう:

デバイスの種類 デフォルトのデバイスハンドル 編集者メモと、考慮すべき点
IDE、SATA、SAS、SCSI、または USB フラッシュメモリ /dev/sda 2007 年頃から現在までに製造されたハードウェアで見られます。このデバイスハンドルはおそらく Linux 上でもっともよく使用されているものでしょう。この種のデバイスは SATA バスSCSIUSB バスを介してブロックストレージとして接続されます。例えば、最初の SATA デバイス上の最初のパーティションは /dev/sda1 という名前になります。
NVM Express (NVMe) /dev/nvme0n1 ソリッドステートテクノロジとして最新の NVMe ドライブは PCI Express バスに接続され、一般市場でもっとも高速な転送速度を持っています。2014 年頃以降のシステムは NVMe ハードウェアのサポートを備えているかもしれません。最初の NVMe デバイスの最初のパーティションは /dev/nvme0n1p1 という名前になります。
MMC、eMMC、および SD カード /dev/mmcblk0 embedded MMC デバイス、SD カード、そして他の種類のメモリーカードはデータ用のストレージとして有用です。つまり、多くのシステムはこれらの種類のデバイスからのブートを許可していないかもしれません。これらのデバイスに Linux をインストールして常用するのはおすすめできません。それらの典型的な設計意図である、ファイルの交換用に使うものと考えてください。この種のストレージは短期的なファイルバックアップまたはスナップショットとして使用すると便利かもしれません。

上のブロックデバイスは、ディスクへの抽象的なインターフェースを表しています。ユーザープログラムはこれらのブロックデバイスを用いて、デバイスが SATA、SCSI、もしくは他のものであるかどうかを心配することなしにディスクと通信することができます。プログラムは容易にディスク上の記憶領域を、ランダムアクセスできる 4096 バイト (4K) ごとの連続領域としてアドレッシングできます。


パーティション

Although it is theoretically possible to use a full disk to house your Linux system, this is almost never done in practice. Instead, full disk block devices are split up in smaller, more manageable block devices. On IA64 systems, these are called partitions.

Itanium systems use EFI, the Extensible Firmware Interface, for booting. The partition table format that EFI understands is called GPT, or GUID Partition Table. The partitioning program that understands GPT is called "parted", so that is the tool used below. Additionally, EFI can only read FAT filesystems, so that is the format to use for the EFI boot partition, where the kernel will be installed by "elilo".

Advanced storage

The IA64 Installation CDs provide support for LVM2. LVM2 increases the flexibility offered by the partitioning setup. During the installation instructions, we will focus on "regular" partitions, but it is still good to know LVM2 is supported as well.


パーティション構成の設計

パーティション数とサイズ

ディスクのパーティションレイアウトの設計は、システムに対する要求と、デバイスに適用されるファイルシステムに大きく依存します。多数のユーザがいる場合、セキュリティを向上し、バックアップの作成とその他のメンテナンスを容易にするために、/home を分離されたパーティションに配置することが推奨されます。もし メールサーバとして動作する場合は、/var を分離されたパーティションとし、すべてのメールを /var ディレクトリに保存すべきでしょう。ゲームサーバでは、ほとんどのゲームサーバソフトウェアは /opt にインストールされるので、/opt を分離されたパーティションとすることができます。これらが推奨される理由は最初の /home ディレクトリと同様で、セキュリティ、バックアップ、そしてメンテナンスです。

Gentoo では多くの場合、/usr/var は相対的に大きい容量を確保すべきです。/usr にはシステム上で利用可能なアプリケーションの大部分と、Linux カーネルソース (/usr/src 配下) が配置されます。デフォルトでは、/var には Gentoo ebuild リポジトリが (/var/db/repos/gentoo 配下に) 配置され、ファイルシステム依存ではあるものの通常 650 MiB ほどのディスク容量を消費します。この推定容量には /var/cache/distfiles/var/cache/binpkgs ディレクトリは含まれていません。これらはそれぞれ、ソースファイルとバイナリパッケージ (使用している場合) を格納するディレクトリで、システムに追加すればするほど大きくなっていきます。

適切なパーティションの数とサイズは、システムを取り巻く環境と、トレードオフを考慮することで大きく変わります。パーティションやボリュームを分離することには下記の利点があります:

  • それぞれのパーティションまたはボリュームに対して、最も性能が高いファイルシステムを選択できます
  • ゾンビプロセスがパーティションまたはボリュームに継続的に書き込みをした場合でも、システム全体の空き領域を使い切ることはありません
  • 必要ならば、複数のチェックを並行して実行することで、ファイルシステムチェックの時間を短縮できます (複数のパーティションよりも複数のディスクの方が効果を実感できます)
  • リードのみ、nosuid(setuidビット無効)、noexec(実行ビット無効)等のマウントオプションによって、セキュリティが向上します


しかし、複数パーティションにはデメリットもあります:

  • もし適切に設定されていないと、あるパーティションが空き領域をたくさん持ち、別のパーティションにはまったく空き領域がなくなるといったことが起こり得ます。
  • /usr/ を独立したパーティションにすると、他のブートスクリプトが動作する前にパーティションをマウントするために、initramfs を使ってブートする必要があるかもしれません。initramfs の生成と保守はこのハンドブックのスコープの範囲外ですので、慣れていない方が /usr を独立したパーティションとすることは推奨しません。
  • SCSI や SATA では仕様上の制約により、GPT ラベルを使用しない限りは 15 個までしかパーティションを作れません。
メモ
サービスおよび init システムとして systemd を使うつもりのインストールでは、/usr ディレクトリはルートファイルシステムの一部とするか、または initramfs によりマウントされるようにして、ブート時に利用できるようにしなくてはなりません。

スワップ領域について

スワップ領域のサイズについて完璧な値というものはありません。スワップ領域の目的は、メインメモリ(RAM)が逼迫した際、カーネルにディスク領域を提供するためにあります。スワップ領域があれば、カーネルは最近最も使われていないメモリページをディスクに書き出し(スワップもしくはページアウト)、現在のタスクのために RAM 上に置かれたメモリを開放します。もちろん、もしディスクにスワップされたページが急に必要になった場合は、これらのページはメモリに戻す(ページイン)必要があります。これには、RAM から読み込むより相当長い時間がかかります(メインメモリと比較してディスクはとても遅いためです)。

システムがメモリを大量に消費するアプリケーションを実行しないとき、またシステムが多くの RAM を持っているときは、それほど大きいスワップ領域は必要ではありません。しかし、ハイバネーションの際に、スワップ領域はメモリの内容すべてを保存するために使われる(サーバシステムよりも、デスクトップやラップトップシステムでよくあることです)ことに留意してください。システムにハイバネーションのサポートが必要な場合は、メモリの全体量以上のサイズのスワップ領域が必要です。

一般的なルールとして、スワップ領域のサイズは内部メモリ (RAM) の 2 倍であることが推奨されます。複数のハードディスクを備えるシステムでは、並列して読み込み/書き込み操作が行えるように、それぞれのディスクに 1 つずつスワップパーティションを作成するのが賢い方法です。スワップ空間内のデータにアクセスしなくてはならないときに、ディスクがより高速にスワップできるほど、システムもより高速に動作するでしょう。回転式ディスクとソリッドステートディスクを比較すると、SSD 上にスワップを置いたほうが高いパフォーマンスが発揮できます。また、スワップパーティションの代わりにスワップファイルを使用することもできます。これは主にディスク容量が非常に限られたシステムで興味深いものです。


Non-default example partition scheme

An example partitioning for a 20GB disk is shown below, used as a demonstration laptop (containing webserver, mailserver, gnome, ...):

root #df -h
Filesystem    Type    Size  Used Avail Use% Mounted on
/dev/sda5     ext4    509M  132M  351M  28% /
/dev/sda2     ext4    5.0G  3.0G  1.8G  63% /home
/dev/sda7     ext4    7.9G  6.2G  1.3G  83% /usr
/dev/sda8     ext4   1011M  483M  477M  51% /opt
/dev/sda9     ext4    2.0G  607M  1.3G  32% /var
/dev/sda1     ext2     51M   17M   31M  36% /boot
/dev/sda6     swap    516M   12M  504M   2% <not mounted>
(Unpartitioned space for future usage: 2 GB)

/usr/ is rather full (83% used) here, but once all software is installed, /usr/ doesn't tend to grow that much. Although allocating a few gigabytes of disk space for /var/ may seem excessive, remember that portage uses this partition by default for compiling packages. To keep /var/ at a more reasonable size, such as 1GB, alter the PORTAGE_TMPDIR variable in /etc/portage/make.conf to point to the partition with enough free space for compiling extremely large packages such as LibreOffice.

Using parted to partition the disk

The following parts explain how to create the example partition layout used in the remainder of the installation instructions, namely:

Partition Description
/dev/sda1 EFI Boot partition
/dev/sda2 Swap partition
/dev/sda3 Root partition

Change the partition layout according to personal preference.

Viewing the current partition layout

parted is the GNU partition editor. Fire up parted on the disk (in our example, we use /dev/sda):

root #parted /dev/sda

Once in parted, a prompt that looks like this shows up:

(parted)

At this point one of the available commands is help, to see the other available commands. Another command is print to display the disk's current partition configuration:

(parted)print
Disk geometry for /dev/sda: 0.000-34732.890 megabytes
Disk label type: gpt
Minor    Start       End     Filesystem  Name                  Flags
1          0.017    203.938  fat32                             boot
2        203.938   4243.468  linux-swap
3       4243.469  34724.281  ext4

This particular configuration is very similar to the one recommended above. Note on the second line that the partition table is type is GPT. If it is different, then the ia64 system will not be able to boot from this disk. To explain how partitions are created, let's first remove the partitions and recreate them.

Removing all partitions

メモ
Unlike fdisk and some other partitioning programs which postpone committing changes until the write instruction is given, parted commands take effect immediately. So once partitions are added or removed, there is no undo.

The easy way to remove all partitions and start fresh, which guarantees that we are using the correct partition type, is to make a new partition table using the mklabel command. This results in an empty GPT partition table.

(parted) mklabelgpt
(parted) mklabelprint
Disk geometry for /dev/sda: 0.000-34732.890 megabytes
Disk label type: gpt
Minor    Start       End     Filesystem  Name                  Flags

Now that the partition table is empty, we're ready to create the partitions. We will use a default partitioning scheme as discussed previously. Of course, don't follow these instructions to the letter but adjust to personal preference.

Creating the EFI boot partition

First create a small EFI boot partition. This is required to be a FAT filesystem in order for the IA64 firmware to read it. Our example makes this 32 MB, which is appropriate for storing kernels and elilo configuration. Expect each IA64 kernel to be around 5 MB, so this configuration leaves some room to grow and experiment.

(parted)mkpart primary fat32 0 32
(parted)print
Disk geometry for /dev/sda: 0.000-34732.890 megabytes
Disk label type: gpt
Minor    Start       End     Filesystem  Name                  Flags
1          0.017     32.000  fat32

Creating the swap partition

Let's now create the swap partition. The classic size to make the swap partition was twice the amount of RAM in the system. In modern systems with lots of RAM, this is no longer necessary. For most desktop systems, a 512 megabyte swap partition is sufficient. For a server, consider something larger to reflect the anticipated needs of the server.

(parted)mkpart primary linux-swap 32 544
(parted)print
Disk geometry for /dev/sda: 0.000-34732.890 megabytes
Disk label type: gpt
Minor    Start       End     Filesystem  Name                  Flags
1          0.017     32.000  fat32
2         32.000    544.000

Creating the root partition

Finally, create the root partition. Our configuration will make the root partition to occupy the rest of the disk. We default to ext4, but it is possible to use ext2, jfs, reiserfs or xfs. The actual filesystem is not created in this step, but the partition table contains an indication of what kind of filesystem is stored on each partition, and it's a good idea to make the table match the intentions.

(parted)mkpart primary ext4 544 34732.890
(parted)print
Disk geometry for /dev/sda: 0.000-34732.890 megabytes
Disk label type: gpt
Minor    Start       End     Filesystem  Name                  Flags
1          0.017     32.000  fat32
2         32.000    544.000
3        544.000  34732.874

Exiting parted

To quit from parted, type quit. There's no need to take a separate step to save the partition layout since parted has been saving it all along. Parted will give a reminder to update the /etc/fstab file, which is done later in the installation instructions.

(parted)quit
Information: Don't forget to update /etc/fstab, if necessary.


ファイルシステムを作成する

警告
SSD または NVMe ドライブを使用する場合は、ファームウェアアップグレードが必要かどうか確認してください。特に一部の Intel SSDs (600p および 6000p) は、XFS の I/O 使用量パターンによって誘発されるデータ破損 (ファイルシステムの欠陥によるものではありません) を回避するために、重大なバグフィックスのためのファームウェアアップグレードが必要です。smartctl はモデルとファームウェアバージョンを確認するのに役立ちます。

はじめに

パーティションが作成できたら、その上にファイルシステムを作成します。次の節ではLinuxがサポートする各種ファイルシステムを紹介します。どのファイルシステムを使うかをすでに決めているなら、パーティションにファイルシステムを適用するへ進みましょう。そうでなければ、次の節を読んで利用可能なファイルシステムについて知るのがよいでしょう。

ファイルシステム

Linux は多くのファイルシステムをサポートしていますが、それらの多くは特定の目的をもって配備するのが賢明なものです。特定のファイルシステムのみが ia64 アーキテクチャ上で安定して動作するとされています - 重要なパーティションに実験的なファイルシステムを選択するときは、事前にファイルシステムのサポート状況を十分に知っておくことを推奨します。XFS はすべてのプラットフォームで、すべての目的で推奨されるファイルシステムです。以下は、網羅的ではないリストです:

btrfs
次世代のファイルシステムです。スナップショット、チェックサムによる自己修復、透過的圧縮、サブボリューム、RAID の統合などの先進的な機能を提供します。RAID 5/6 とクオータグループは、btrfs のすべてのバージョンで安全ではありません。
ext4
ext4 は reflink などの現代的な機能を欠いてはいるものの、信頼性があり、全目的、全プラットフォームで使用できるファイルシステムです。
f2fs
Flash-Friendly File System はもともと、Samsung によって NAND フラッシュメモリで利用するために作られました。Gentoo を microSD カードや USB スティックや他のフラッシュベースの記憶装置にインストールする際にはすばらしい選択でしょう。
XFS
メタデータジャーナリングのあるファイルシステムで、堅牢な機能セットを持ち、スケーラビリティに最適化されています。新しい機能を取り入れながら継続的にアップグレードされ続けています。唯一の欠点は、現在対応中ではあるものの、 XFS パーティションはまだ縮小できないという点です。XFS の特筆すべき点として reflink とコピーオンライト (CoW) に対応しており、これは Gentoo システム上ではユーザが実施するコンパイル量の多さから特に有用です。XFS は全目的、全プラットフォームで利用できる、おすすめの現代的なファイルシステムです。パーティションは少なくとも 300MB ある必要があります。
VFAT
別名 FAT32。Linux でサポートされていますが、標準的な UNIX パーミッションの設定をサポートしていません。ほとんど、他の OS (Microsoft Windows または Apple macOS) との相互運用性/交換のために使われていますが、いくつかのシステムブートローダーファームウェア (たとえば UEFI) でも必要になります。UEFI システムを使用している場合は、システムをブートするためには VFAT でフォーマットされた EFI システムパーティションが必要になるでしょう。
NTFS
この "New Technology" ファイルシステムは、Windows NT 3.1 以降の Microsoft Windows のフラッグシップファイルシステムです。VFAT と同様、BSD や Linux が正しく動作するために必要な UNIX パーミッション設定や拡張属性を保持しないため、ほとんどの場合ルートファイルシステムとして使うべきではありません。Microsoft Windows とデータ交換の相互運用のためにのみ使うべきです (のみの強調に注意してください)。

ファイルシステムについてのより広範な情報は、コミュニティによって維持されているファイルシステムの記事で見つけることができます。

パーティションにファイルシステムを適用する

メモ
後でハンドブックのインストールプロセスの最後に再起動する前に、選択したファイルシステムに関連するパッケージを emerge しておいてください。

パーティションまたはボリュームの上にファイルシステムを作成するには、ファイルシステムごとに異なるユーザースペースのユーティリティが利用可能です。下表でファイルシステムの名前をクリックすると、それぞれに追加の情報が得られます:

ファイルシステム 作成コマンド Minimal CD にある? パッケージ
btrfs mkfs.btrfs はい sys-fs/btrfs-progs
ext4 mkfs.ext4 はい sys-fs/e2fsprogs
f2fs mkfs.f2fs はい sys-fs/f2fs-tools
xfs mkfs.xfs はい sys-fs/xfsprogs
vfat mkfs.vfat はい sys-fs/dosfstools
NTFS mkfs.ntfs はい sys-fs/ntfs3g

例えば、パーティション構造例の通りに、ルートパーティション (/dev/sda3) を xfs として設定するには、次のコマンドが使えます:


root #mkfs.xfs /dev/sda3

ext4 を (8 GiB 未満の) 小さいパーティションに使用する場合は、十分な inode 数を確保できるように適切なオプションを指定してファイルシステムを作成する必要があります。これは、各ファイルシステム毎に、以下のコマンドのうちのひとつを使用することで行えます:

root #mkfs.ext4 -T small /dev/<device>

上のコマンドは通常では、「inodeあたりのバイト数」を16kBから4kBに減らすので、ファイルシステムに4倍のinode数を確保できます。

それでは、新しく作成したパーティション(または論理ボリューム)にファイルシステムを作成しましょう。

スワップパーティションを有効にする

mkswapはスワップパーティションを初期化するために使われるコマンドです:

root #mkswap /dev/sda2

スワップパーティションを有効化するには、swaponを使います:

root #swapon /dev/sda2

上述のコマンドで、スワップを作成して有効化しましょう。

ルートパーティションのマウント

ヒント
非 Gentoo インストールメディアを利用している場合、次を実行してマウントポイントを作成する必要があります:
root #mkdir --parents /mnt/gentoo

パーティションが初期化され、ファイルシステムを格納したので、それらのパーティションをマウントする時です。 mount コマンドを使用しますが、作成されたすべてのパーティションに必要なマウントディレクトリを作成することを忘れないでください。例として、 rootパーティションをマウントします。

root #mount /dev/sda3 /mnt/gentoo
メモ
もし/tmp/を別のパーティションに置く必要があるなら、マウントしたあと権限の変更を忘れずに行ってください:
root #chmod 1777 /mnt/gentoo/tmp
/var/tmpについても同様です。

このあと解説の中で、proc ファイルシステム (仮想的なカーネルとのインターフェース) が、他のカーネル擬似ファイルシステムと同様にマウントされますが、まず最初は、Gentoo インストールファイルをインストールします。





stage tarballをインストールする

日時を設定する

Gentoo をインストールする前に、時刻を正しく設定しなくてはなりません。Gentoo のウェブベースのサービスではセキュリティ証明書を利用しているため、システム時刻があまりにもずれていると、インストール用ファイルをダウンロードできないかもしれません。また、初期のインストールが完了した後で時刻を修正した場合、未来の日付で保存されたファイルがおかしなエラーを引き起こすことがあるかもしれません。

date コマンドを実行して、現在の日付と時刻が正しいか確認してください。

root #date
Mon Oct  3 13:16:22 PDT 2021

表示された日時が 2、3 分以上ずれている場合は、正確を期すため、以下に示す方法のうちいずれかに従って更新してください。

自動

ほとんどの読者は、タイムサーバを利用してシステムに自動で時刻を更新させることを望むでしょう。

重要
一部のマザーボードは、システムの電源がオフになっている間も比較的正確な時刻を保つための、リアルタイムクロック (RTC) を搭載していないことがあります。これらのシステムでは、システム起動のたびに、そしてその後定期的に、システム時刻を時刻サーバと自動的に同期するように設定するのがとても重要です。これは RTC を搭載しているけれど、バッテリーがだめになってしまったシステムについても、同様に重要です。

公式 Gentoo live 環境には、chronyd コマンド (net-misc/chrony パッケージを通して利用可能です) と、ntp.org 時刻サーバを指定した設定ファイルも含まれています。これによって、時刻サーバを利用して、システム時刻を UTC 時刻と自動で同期することができます。この方法はネットワーク設定を必要とし、アーキテクチャによっては利用できないかもしれません。

警告
自動時刻同期によって犠牲になるものもあります。例えば、システムのIPアドレスや、関連するネットワークの情報が、時刻サーバ(下の例では ntp.org)に明らかにされます。プライバシーが心配なユーザーは、下記の方法でシステム時刻を設定する前に、このことを理解しておくべきです。
root #chronyd -q

手動

タイムサーバにアクセスできないシステムについては、date コマンドをシステム時刻を手動設定するのにも使えます。引数として、次のフォーマットを使います: MMDDhhmmYYYY 形式 (Month (月)、Day (日)、Hour (時)、minute (分)、Year (年))。

すべての Linux システムでは UTC で時刻を設定することが推奨されます。タイムゾーンはインストール中にあとで設定します。タイムゾーンを設定すると、時刻の表示がローカル時刻に切り替わります。

例えば、2021年の10月3日 13時16分に設定するには、以下を実行してください:

root #date 100313162021

stage tarballを選択する

メモ
すべてのアーキテクチャが multilib オプションを持っているわけではありません。多くは、ネイティブコードでしか動作しません。multilib が最もよく適用されているのは amd64 です。

multilib (32ビットと64ビット)

ベースとなるtarballを適切に選ぶことで、この後に続くインストールプロセスの相当な時間を短縮できます。特に適切なプロファイルを選ぶで効果があります。ステージtarballの選択はこの後のシステム設定に直接影響し、頭痛の種もしくはtwo later on down the lineを減らします。multilib tarballは64ビットのライブラリを使えるときはそれを使用し、互換性を必要とする場合は32ビットのライブラリを使用します。これはインストールされるほとんどのソフトにとってすばらしい選択肢となります。プロファイルを簡単に変更できるシステムが必要な場合は、そのプロセッサアーキテクチャにあったmultilib tarballをダウンロードしなければなりません。

大部分のユーザは、'advanced'なtar ballを選択すべきではありません。これらは特定のソフトウェアもしくはハードウェアのみに必要です。

非 multilib (64 ビットのみ)

システムのベースとして非multilibのtarballを選択することで、完全な64ビット環境を構築できます。これは事実上、multilibプロファイルへの変更を(可能ではありますが)困難にします。

警告
非 mutilib を必要とする明確な理由がなく、単に Gentoo を使いたいというケースでは、非 multilib を選択すべきではありません。非 multilib から mutilib システムへの変更は、Gentoo の深い知識と低レベルのツールチェーンが必要です (これはおそらく私たちの Toolchain developers を身震いさせるでしょう)。これは気の弱い人への警告ではなく、このガイドの範囲外になるということです。

OpenRC

OpenRC は依存関係に基づく init システム (カーネルが起動した後にシステムサービスを開始するためのシステム) で、通常は /sbin/init にある、システムが提供する init プログラムとの互換性を保っています。Gentoo に由来するオリジナルの init システムですが、他の一部の Linux ディストリビューションや BSD システムでも採用されています。

OpenRC はデフォルトでは /sbin/init ファイルの代替としては機能せず、Gentoo の init スクリプトとは完全な互換性があります。つまり、Gentoo ebuild リポジトリにはデーモンを起動するソリューションがあるということです。

systemd

systemd は SysV スタイルの init と rc の、Linux システム向けの現代的な代替です。Linux ディストリビューションの大多数では、第一の init システムとして使用されています。systemd は Gentoo で完全にサポートされており、その意図した目的に合うように動作します。もし systemd インストールパスについて、何かがハンドブックから欠けているようであれば、助けを求める前に systemd の記事 を確認してください。

メモ
Gentoo がインストールされたシステムを OpenRC から systemd に、あるいはその逆に変更することは、技術的には可能です。しかし、変更には多大な労力が必要で、このインストールマニュアルの範囲外です。stage tarball をダウンロードする前に、OpenRC または systemd のどちらをターゲット init システムとして利用するか決定して、対応する stage tarball をダウンロードしてください。

stage tarball をダウンロードする

ルートファイルシステムがマウントされている場所、Gentooのマウントポイント(おそらく/mnt/gentoo)に移動してください。

root #cd /mnt/gentoo

グラフィカルブラウザ

完全なグラフィカルウェブブラウザがある環境を使っているひとには、stageファイルのURLをメインウェブサイトのダウンロードセクションからコピーするのに何の問題も無いでしょう。単純に適切なタブを選択して、stageファイルへのリンクを右クリックして、Copy Linkしてクリップボードにリンクをコピーして、コマンドライン上でwgetユーティリティにリンクをペーストして、stage tarballをダウンロードします。

root #wget <PASTED_STAGE_URL>

コマンドラインブラウザ

伝統的な読者や'古参'の Gentoo ユーザで、コマンドラインのみで作業をする人たちは、グラフィカル環境を必要としないメニュー形式のブラウザである links (www-client/links) を使うほうを好むかもしれません。stage をダウンロードするために、Gentoo ミラーリストに飛んでください。

root #links https://www.gentoo.org/downloads/mirrors/

linksでHTTPプロキシを使うには、-http-proxyオプションにプロキシのURLを渡してください。

root #links -http-proxy proxy.server.com:8080 https://www.gentoo.org/downloads/mirrors/

links に似た lynx (www-client/lynx) というブラウザもあります。links と同じくグラフィカル環境を必要としませんが、メニューはありません。

root #lynx https://www.gentoo.org/downloads/mirrors/

プロキシを定義する必要があるならば、http_proxyftp_proxy変数をexportしてください。

root #export http_proxy="http://proxy.server.com:port"
root #export ftp_proxy="http://proxy.server.com:port"

ミラーリストから、近くのミラーを選んでください。通常はHTTPミラーで十分ですが、他のプロトコルも使えます。releases/ia64/autobuilds/ ディレクトリに移動してください。入手可能なすべてのstageファイルが列挙されています。ファイルは、サブアーキテクチャにちなんだ名前のサブティレクトリの中にあることもあります。ファイルを選び、dを押してダウンロードしてください。

stage ファイルのダウンロードが完了したら、整合性を検証して stage tarball のコンテンツが正当か確認することができます。興味のあるひとは次節へ進んでください。

stage ファイルの検証と確認に興味が無いひとは、q を押すことでコマンドラインブラウザを終了して、stage tarball を展開する節へすぐに進むことができます。

検証して確認する

メモ
今では、ほとんどの stage は init システムの種類に応じて明示的に (openrc または systemd と) 接尾辞が付けられていますが、アーキテクチャによっては、これらがまだ無いものもあります。

Minimal インストール CD のときと同じく、stage ファイルを検証して確認するためのファイルもダウンロードすることができます。これらの手順は飛ばしてもかまいませんが、ダウンロードしたファイルの整合性を気にするユーザのためにこれらのファイルが提供されています。これらの追加のファイルはミラーディレクトリのルートの下から取得できます。ハードウェアアーキテクチャとシステムプロファイルごとの適切な場所にブラウザで移動して、関連する .CONTENTS.gz.DIGESTS、そして .sha265 ファイルをダウンロードしてください。

root #wget https://distfiles.gentoo.org/releases/
  • .CONTENTS.gz は stage tarball 内のファイル一覧を含む圧縮ファイルです。
  • stage ファイルの、複数の暗号学的ハッシュアルゴリズムを用いたチェックサムを含む .DIGESTS ファイル。
  • stage ファイルの、SHA256 ハッシュアルゴリズムのみを用いたチェックサムを含む .sha265 ファイル。このファイルはすべての stage tarball で取得できるとは限らないことに注意してください。

opensslsha256sum、または sha512sum などの暗号ツールおよびユーティリティを使用し、その出力を提供された .DIGESTS ファイルに含まれるチェックサムと比較することができます。

例えば、openssl で SHA512 チェックサムを検証するには:

root #openssl dgst -r -sha512 stage3-ia64-<release>-<init>.tar.xz

dgstopenssl コマンドにメッセージダイジェストのサブコマンドを使うように指示し、-r はダイジェスト出力を coreutils フォーマットで印字し、-sha512 は SHA512 ダイジェストを選択します。

openssl で BLAKE2B512 チェックサムを検証するには:

root #openssl dgst -r -blake2b512 stage3-ia64-<release>-<init>.tar.xz

チェックサムコマンドの出力を、.DIGESTS ファイルに含まれているハッシュとファイル名の値の組み合わせと比較してください。これらの値の組み合わせはチェックサムコマンドの出力と一致している必要があります。一致していない場合、ダウンロードしたファイルが破損しているため、削除して再ダウンロードするべきです。

sha256sum ユーティリティを使用して、関連する .sha265 ファイルに含まれる SHA256 ハッシュを検証するには:

root #sha256sum --check stage3-ia64-<release>-<init>.tar.xz.sha256

--check オプションは sha256sum に期待されるファイルと対応するハッシュのリストを読み込ませ、各ファイルごとに、正しく計算できれば "OK" を、そうでない場合は "FAILED" を印字するように指示します。

ISO ファイルと同様に、tarball が改竄されていないことを確認するために、gpg を使って .tar.xz ファイルの電子署名を検証することもできます。

公式 Gentoo live イメージに関しては、自動化されたリリースのために sec-keys/openpgp-keys-gentoo-release パッケージが PGP 署名鍵を提供しています。鍵を検証に使用するためには、まずユーザのセッションに鍵をインポートする必要があります:

root #gpg --import /usr/share/openpgp-keys/gentoo-release.asc

非公式 live イメージでは、live 環境内で gpgwget を提供していれば、Gentoo 鍵を含むバンドルを取得してインポートすることができます:

root #wget -O - https://qa-reports.gentoo.org/output/service-keys.gpg | gpg --import

tarball の署名と、追加で関連するチェックサムファイルを検証してください:

root #gpg --verify stage3-ia64-<release>-<init>.tar.xz.asc
root #gpg --verify stage3-ia64-<release>-<init>.tar.xz.DIGEST
root #gpg --verify stage3-ia64-<release>-<init>.tar.xz.sha256

検証に成功した場合は、上のコマンドの出力に "Good signature from" が含まれるでしょう。

リリースメディアに署名するのに使用された OpenPGP 鍵のフィンガープリントは、リリースメディアの署名ページで確認できます。

stage tarball を展開する

次に、ダウンロードした stage を解凍しましょう。tar ユーティリティを使って次のように進めてください:

root #tar xpvf stage3-*.tar.xz --xattrs-include='*.*' --numeric-owner

上のコマンドと同じオプション (xpf--xattrs-include='*.*') を使っていることを確認してください。x は展開 (extract) を示し、p はパーミッションを保持 (preserve) すること、v は詳細 (verbose) な出力、ftar が標準入力からストリームを読む代わりにファイル (file) を展開することを示しています。

ダッシュ 2 本 (--) で始まるオプションには短い記法がありません。--xattrs-include='*.*' は、アーカイブに保存されている拡張属性をすべての名前空間について保持し含めることを示しています。最後の --numeric-owner は、たとえ冒険的なユーザが公式 Gentoo live 環境を使わずにインストール作業をしている場合であっても、tarball から展開されるファイルのユーザ ID とグループ ID が Gentoo リリースエンジニアリングチームの意図通りになるようにするためのものです。

これでステージファイルは展開されました。この続きはコンパイルオプションを設定するで。

コンパイルオプションを設定する

はじめに

システムを最適化するために、Portage(Gentooの公式なパッケージマネージャ)の挙動に影響する変数を設定できます。これらの変数はすべて環境変数として(exportを使って)設定できますが、export による設定は永続的なものではありません。

メモ
シェルのプロファイルまたは rc ファイルを利用して変数を export することは技術的には可能ですが、これは基本的なシステム管理の方法としてはベストプラクティスではありません。

Portage は実行時に make.conf を読み、ファイルに保存された値に基づいて実行時の振る舞いを変えます。make.conf は Portage の第一の設定ファイルと見ることができますので、その内容には注意して取り扱ってください。

メモ
/mnt/gentoo/usr/share/portage/config/make.conf.exampleに、すべての利用可能な変数のリストが、コメント付きで記載されています。make.conf についてのさらなるドキュメンテーションは、man -LC 5 make.conf を実行することで確認できます。(訳注: 日本語版は 10 年以上更新されていません。-LC を付けて最新の英語版を参照してください。)

Gentoo のインストールを成功させるために最低限設定する必要がある変数は、以降で示すものだけです。

これから詳しく見ていく最適化変数を設定するために、エディタ(このガイドではnanoを使います)を起動してください。

root #nano /mnt/gentoo/etc/portage/make.conf

make.conf.example ファイルを読めば、記述形式は分かるでしょう。コメント行は # で始まり、他の行は「変数="内容"」の形式で変数を定義します。これらの変数のうちのいくつかについて、次の節で見ていきます。

CFLAGS と CXXFLAGS

CFLAGSCXXFLAGS変数はそれぞれ、GCC CコンパイラとC++コンパイラのための最適化フラグを定義します。この2つの変数は通常ここで定義されますが、真に最高のパフォーマンスを発揮するためには、このフラグはプログラム毎に別々に設定する必要があるでしょう。すべてのプログラムは異なるからです。しかし、それでは管理が大変なので、make.confファイルでこれらのフラグを定義します。

make.confでは、一般にシステムの応答が速くなるように最適化フラグを設定するべきです。この変数に実験的な設定を書かないでください。過剰な最適化はプログラムの挙動をおかしくすることがあり、クラッシュや誤動作の元となります。

ここではすべての最適化オプションを説明することはしません。すべてを理解するためには、GNUオンラインマニュアルやGCC infoページ(info gcc - Linuxシステムでのみ使えます)を読んでください。make.conf.exampleファイルにはたくさんの設定例と情報が含まれているので、これを読むこともお忘れなく。

最初の設定は-march=または-mtune=フラグです。これはターゲットアーキテクチャの名前を指定します。可能な選択肢はmake.conf.exampleファイル内にコメントとして書かれています。nativeを指定すると、コンパイラは(Gentooをインストールしようとしている)現在のシステムのアーキテクチャをターゲットとして選択してくれるので、よく使われます。

ふたつめの設定は-Oフラグ(ゼロではなく大文字のオー)です。これはgcc最適化クラスフラグを指定します。可能なクラスは、s(サイズ最適化)、0(ゼロ、最適化無し)、1、2、3(速度最適化)です。速度最適化については、各クラスは1段階前のクラスが持つものと同じフラグに加えて、追加のフラグを持ちます。-O2は推奨されるデフォルト設定です。-O3をシステム全体で使うと問題を起こすことが知られているので、-O2にとどめることをおすすめします。

他によく使われる最適化フラグには-pipeがあります。これは、コンパイルステージ間での連絡方法として、一時ファイルではなくパイプを使うよう指定します。生成されるコードには影響しませんが、より多くのメモリを使うようになります。メモリの少ないシステムでは、gccが強制終了するかもしれません。そのような場合には、このフラグは使わないでください。

-fomit-frame-pointerを使うと、必要の無い場合にはフレームポインタをレジスタに保持しなくなります。これはアプリケーションのデバッグ時に深刻な影響を与えるかもしれません。

CFLAGSCXXFLAGS変数を定義するときには、最適化フラグは1つの文字列として結合してください。stage3アーカイブから解凍したデフォルト値で十分でしょう。以下に例を示します:

コード CFLAGSCXXFLAGS変数の設定例
# すべての言語において設定するコンパイラフラグ
COMMON_FLAGS="-O2 -pipe"
# 同じ設定を両方の変数に使用
CFLAGS="${COMMON_FLAGS}"
CXXFLAGS="${COMMON_FLAGS}"
ヒント
各種コンパイルオプションがどのようにシステムに影響するかについては GCC の最適化 の記事に詳しい情報がありますが、初心者がシステムの最適化を始めるには Safe CFLAGS の記事のほうがもっと実践的な場所かもしれません。

MAKEOPTS

MAKEOPTS 変数は、パッケージのインストール時にどれだけ並行してコンパイルを走らせるかを定義します。Portage バージョン 3.0.31[1] 時点において、未定義のままの場合、Portage のデフォルトの挙動では MAKEOPTS 値は nproc が返すスレッド数と同じ数に設定されます。

CPU のスレッド数か、システム全体の RAM 容量を 2 GiB で割った数のうち、小さい方を選択するのがよい選択とされています。

警告
ジョブ数を大きくすると、メモリ使用量にきわめて大きな影響を及ぼします。目安は、指定したジョブ数の各ジョブに対し、最低 2 GiB の RAM が割り当てられるようにすることです (つまり、例えば -j6最低でも 12 GiB を要求します)。メモリが枯渇しないようにするには、利用可能なメモリ容量に合うようにジョブ数を減らしてください。
ヒント
並列 emerge を使用する (--jobs) と、実効的なジョブ数が指数関数的に (make ジョブ数 × emerge ジョブ数まで) 増大することがあります。これに対しては、localhost-only distcc 構成によって、ホスト当たりのコンパイラインスタンス数を制限することで対処することができます。
ファイル /etc/portage/make.confmake.confのMAKEOPTSの設定例
# 未定義のままの場合、Portage のデフォルトの挙動では MAKEOPTS 値は `nproc` が返すスレッド数と同じ数に設定されます
MAKEOPTS="-j4"

さらなる詳細については man 5 make.conf 内で MAKEOPTS を検索してください。

よーい、ドン!

好みの設定に合わせて /mnt/gentoo/etc/portage/make.conf を変更し、保存してください。nano では Ctrl+o で変更を保存して、Ctrl+x で終了できます。

それでは Gentoo ベースシステムのインストールに進んでください。

参照





chroot する

任意自由選択: ミラーサーバーを選択する

ディストリビューションファイル

ヒント
非 Gentoo インストールメディアを利用している場合、このステップは飛ばしても大丈夫です。後で (新しい環境に入った後で) stage3 の中で app-portage/mirrorselect パッケージを emerge することができ、その後、この節で示す操作を行うことができます。

ソースコードを短時間でダウンロードするために、速いミラーを選択することをおすすめします。Portage は make.conf の中の GENTOO_MIRRORS 変数に指定されたミラー群を使用します。Gentoo のミラー一覧をブラウザで開き、インストール対象のマシンに物理的に近い一つまたは複数のミラーを選択することができます (これらは高い頻度で最も高速になり得ます)。しかしながら mirrorselect というツールが、より手っ取り早くミラーを検索して選択するための素晴らしいテキストインターフェースを提供しています。単に選択したいミラーにカーソルを合わせて Spacebar を押し、一つまたは複数のミラーを選択してください。

root #mirrorselect -i -o >> /mnt/gentoo/etc/portage/make.conf

Gentoo ebuild リポジトリ

ミラーを選択するために次に重要なステップは、/etc/portage/repos.conf/gentoo.confファイルでGentoo ebuildリポジトリを設定することです。このファイルはパッケージリポジトリを更新するときに必要になる同期情報を含んでいます(パッケージリポジトリは、Portageがソフトウェアパッケージをダウンロード、インストールする時に必要なすべての情報を含むebuildと関連ファイルを集めたものです)。

リポジトリの設定は単純な数ステップでできます。最初に(それが存在しなければ)repos.confディレクトリを作成します。

root #mkdir --parents /mnt/gentoo/etc/portage/repos.conf

次に、Portageが提供するGentooリポジトリ設定ファイルを(新規作成した)repos.confディレクトリにコピーします。

root #cp /mnt/gentoo/usr/share/portage/config/repos.conf /mnt/gentoo/etc/portage/repos.conf/gentoo.conf

エディタで覗き見するか、catコマンドを使いましょう。そのファイルは.iniフォーマットで、以下のような記述になっているはずです。

ファイル /mnt/gentoo/etc/portage/repos.conf/gentoo.conf
[DEFAULT]
main-repo = gentoo
 
[gentoo]
location = /var/db/repos/gentoo
sync-type = rsync
sync-uri = rsync://rsync.gentoo.org/gentoo-portage
auto-sync = yes
sync-rsync-verify-jobs = 1
sync-rsync-verify-metamanifest = yes
sync-rsync-verify-max-age = 24
sync-openpgp-key-path = /usr/share/openpgp-keys/gentoo-release.asc
sync-openpgp-key-refresh-retry-count = 40
sync-openpgp-key-refresh-retry-overall-timeout = 1200
sync-openpgp-key-refresh-retry-delay-exp-base = 2
sync-openpgp-key-refresh-retry-delay-max = 60
sync-openpgp-key-refresh-retry-delay-mult = 4
sync-webrsync-verify-signature = yes
sync-git-verify-commit-signature = yes

上に記載されているデフォルトの sync-uri 変数は、ローテーション可能なミラーの場所を決めています。これは Gentoo インフラストラクチャーの帯域にかかるストレスを軽減することに役立ち、また特定のミラーがオフラインになっている場合のバックアップとなります。よって、デフォルトのURIは、ローカルまたはプライベートの Portage ミラーを代わりに使うのでない限り、そのままにしておくことが推奨されます。

ヒント
Portage の plug-in sync API の仕様は Portage Sync の記事にあります。

DNS 情報をコピーする

新しい環境に入る前に一つだけやるべきことが残っています。それは/etc/resolv.confに記載されているDNS情報をコピーすることです。これは新しい環境に入った後でネットワークを使うために必要です。/etc/resolv.confは、そのネットワークのネームサーバーの情報を含んでいます。

この情報をコピーするときは、cpコマンドに--dereferenceオプションを付与することを推奨します。これは/etc/resolv.confがシンボリックリンクのときに、シンボリックリンクをコピーするのではなく、シンボリックリンクのリンク先の実ファイルをコピーします。そうしないと新しい環境でシンボリックリンクが存在しないファイルを指し示すでしょう(新しい環境では、元の環境でリンク先に指定していたファイルはほぼ利用できません)。

root #cp --dereference /etc/resolv.conf /mnt/gentoo/etc/

必要なファイルシステムをマウントする

もう少しで、Linux ルートは新しい場所に変わります。

使えるようにしなければならないファイルシステムは以下の通りです。

  • /proc/ は Linux カーネルから情報を引き出すための擬似ファイルシステムです。一見通常ファイルに見えますが、ファイルとしての実体はありません。
  • /sys//proc/ 同様、擬似ファイルシステムです。{{Path|/proc/} }より構造化されており、一度は /proc/ を置き換えることを目的としていました。
  • /dev/ は、すべてのデバイスファイルを含む通常のファイルシステムです。一部は Linux のデバイス管理機構 (通常は udev) により管理されています。
  • /run/ は一時ファイルシステムです。PID ファイルやロックなど、実行時に生成されるファイルのために使用されます。

/proc/は、/mnt/gentoo/proc/にマウントされるでしょう。他はbindマウントされます。後者は、例えば/mnt/gentoo/sys/は事実/sys/となります(同じファイルシステムへの2番目のエントリです)。ここで/mnt/gentoo/proc/はファイルシステムの新しいエントリ(インスタンスとも言えるでしょう)となります。

ヒント
Gentoo のインストールメディアを使用している場合は、このステップは単に arch-chroot /mnt/gentoo として置き換えることができます。
root #mount --types proc /proc /mnt/gentoo/proc
root #mount --rbind /sys /mnt/gentoo/sys
root #mount --make-rslave /mnt/gentoo/sys
root #mount --rbind /dev /mnt/gentoo/dev
root #mount --make-rslave /mnt/gentoo/dev
root #mount --bind /run /mnt/gentoo/run
root #mount --make-slave /mnt/gentoo/run
メモ
インストールの後半で出てくるsystemdを使う場合、--make-rslaveが必要です。
警告
Gentoo以外のインストールメディアを使う場合、これだけでは十分ではない場合があります。いくつかのディストリビューションは/run/shm/へのシンボリックリンクとして/dev/shmを作りますが、これはchroot後に無効になってしまいます。これに対応するためには、/dev/shm/をtmpfsとして適切にマウントしておくことが必要です:
root #test -L /dev/shm && rm /dev/shm && mkdir /dev/shm
root #mount --types tmpfs --options nosuid,nodev,noexec shm /dev/shm

そして確実にモード1777に設定してください:

root #chmod 1777 /dev/shm /run/shm

新しい環境に入る

ようやく、すべてのパーティションが初期化され、ベース環境がインストールされました。chroot を実行して新しいインストール環境に入りましょう。これは、セッションの root (アクセスできる最も上位レベルの場所) を、現状のインストール環境 (インストール CD もしくは他のインストールメディア) から、インストール対象システム (つまり初期化されたパーティション) に変更することを意味しています。これが change root もしくは chroot の意味です。

chrootは次の3ステップで実行されます。

  1. chrootコマンドによって、最上位ディレクトリを(インストールメディアの)/から(パーティションをマウントしている)/mnt/gentoo/に変更する。
  2. /etc/profileのいくつかの設定をsourceコマンドでリロードする。
  3. chroot環境であることを忘れないようするために、シェルのプロンプトを変更する。
root #chroot /mnt/gentoo /bin/bash
root #source /etc/profile
root #export PS1="(chroot) ${PS1}"

この時から、すべての操作は新しい Gentoo Linux 環境で実行されます。

ヒント
これ以降の時点で Gentoo インストールを中断しても、インストール作業をこのステップから「再開」することができるようになっているはずです。ディスクをまたパーティショニングする必要はありません!ただ単にルートパーティションをマウントして、上のステップを DNS 情報をコピーするところから実行すれば、作業中の環境に再び入ります。ブートローダの問題を解決するのにもこれが役に立ちます。さらなる情報は chroot の記事にあります。


Portage を設定する

Web から Gentoo ebuild リポジトリのスナップショットをインストールする

次にGentoo ebuildリポジトリのスナップショットをインストールします。このスナップショットには、インストール可能なパッケージの情報、システム管理者が選択するプロファイルの一覧、パッケージやプロファイルごとのお知らせなどをPortageに伝えるファイルが含まれます。

ここで紹介するemerge-webrsyncは、HTTP/FTPプロトコル以外でのダウンロードがファイアウォールで制限されるような環境や、ネットワーク帯域を節約したい場合にお薦めです。これらの制約がなければ、この手順は省いて次のセクションに進んでも構いません。

次のコマンドで、毎日更新される最新のスナップショットをGentooのミラーサイトから取得し、インストールします:

root #emerge-webrsync
メモ
この作業中、emerge-webrsync/var/db/repos/gentoo/ がない旨のメッセージを出すかもしれません。これは想定内で、心配することはありません。このディレクトリは自動的に作成されます。

この時点で、Portageはいくつかのアップデートが推奨されていることを通知するかもしれません。これは、stageファイルでインストールされたシステム関連のパッケージについて、より新しいバージョンが利用可能であることを示しています。今回新しいリポジトリスナップショットがインストールされたことで、Portageがそれを認識したのです。このメッセージは今のところは無視して、Gentooのインストールが完了してから対応しても問題ありません。

任意自由選択: Gentoo ebuild リポジトリを更新する

Gentoo ebuildリポジトリを最新版にアップデートできます。先のemerge-webrsyncコマンドはほぼ最新の(通常は24時間以内に作成される)スナップショットをインストールするため、このステップは本当に任意です。

最新(一時間以内)のパッケージ更新があるかもしれません。その更新を取り込むためにemerge --syncを実行しましょう。このコマンドはGentoo ebuildリポジトリ(先程emerge-webrsyncコマンドで取得したもの)をアップデートするためにrsyncプロトコルを使用します。

root #emerge --sync

アップデートの時間を短縮するために、特定のフレームバッファもしくはシリアルコンソール等の遅いターミナルでは、--quietオプションを使うことをお薦めします。

root #emerge --sync --quiet

ニュースを読む

Gentoo ebuildリポジトリの更新時、Portage が次のような情報メッセージを出すことがあります。

* IMPORTANT: 2 news items need reading for repository 'gentoo'.
* Use eselect news to read news items.

ニュース項目は、Gentoo ebuild リポジトリを通じて、ユーザーに重要なメッセージを通知するためのコミュニケーション手段です。これらニュース項目を管理するためにeselect newsを使用します。eselectはGentooに固有のユーティリティで、システム管理のための共通の管理インターフェースを提供します。この場合、eselectnewsモジュールを使うことを指示されます。

newsモジュールに対しては、主に3つの操作が使用されます。

  • listを指定すると、現在有効なニュースアイテムの概要が表示されます。
  • readを指定すると、そのニュースアイテムを読むことができます。
  • purgeを指定すると、一度購読したニュースを削除することができます。これにより、それらのニュースを二度と目にすることはないでしょう。
root #eselect news list
root #eselect news read

ニュースリーダーに関するほとんどの情報はマニュアルページを通じて得ることができます。

root #man news.eselect

適切なプロファイルを選ぶ

ヒント
デスクトッププロファイルはデスクトップ環境のためだけのものではありません。i3 や sway のようなミニマルなウィンドウマネージャにも適しています。

プロファイルはあらゆるGentooシステムの基礎を構成します。プロファイルはUSECFLAGS等の重要な変数の初期値を決めるだけではありません。プロファイルは、パッケージのバージョンを決まった範囲に固定する役目を持っています。プロファイルはGentooのPortage開発者によって完全にメンテナンスされています。

現在使用中のプロファイルを確認するには、eselectprofile モジュールを指定して実行してください:

root #eselect profile list
Available profile symlink targets:
  [1]   default/linux/ia64/ *
  [2]   default/linux/ia64//desktop
  [3]   default/linux/ia64//desktop/gnome
  [4]   default/linux/ia64//desktop/kde
メモ
コマンドの出力は一例で、常に更新されています。
メモ
systemd を使用するには、名前に "systemd" を含んだプロファイルを選択してください。逆もまた然りです。

いくつかのアーキテクチャではデスクトップ向けのサブプロファイルが見られるでしょう。

警告
プロファイルのアップグレードは軽々と行われるものではありません。初期プロファイルを選択する時、確実に stage3 がはじめに使用していたものと同じバージョン(例えば )を使用してください。新しいプロファイルのバージョンは、移行方法を含むニュース項目を通して発表されます。新しいプロファイルに移行する前にはその説明に従ってください。

ia64アーキテクチャで利用可能なプロファイルを確認後、別のプロファイルを選択できます。

root #eselect profile set 2



メモ
developerサブプロファイルはGentoo Linux開発向けの固有のプロファイルであり、通常のユーザーが使用するものではありません。

@worldの更新

この時点で、@world 集合をアップデートするとよいでしょう。それによりベースシステムが構築されます。

このステップは必須で、これによってシステムはアップデートや、stage3が構築された時やプロファイルの選択以降のUSEフラグの変更を適用できます。

root #emerge --ask --verbose --update --deep --newuse @world
ヒント
フルスケールのデスクトップ環境を選択した場合、このプロセスはインストール時間を格段に長くしてしまうかもしれません。時間に追われている人は次の経験則が成り立つでしょう。「名前が短く、特定のシステムを示さないプロファイルの @world 集合を選択する」、「もっとも一般的な @world 集合は、より少ないパッケージのアップデートですむ」。別の言い方をすると、
  • default/linux/amd64/を選択すると、パッケージのアップデートは少なくてすみます。
  • default/linux/amd64//desktop/gnome/systemdを選択すると多くのパッケージがインストールされます。なぜなら、initシステムがOpenRCからsystemdに変更され、GNOMEのデスクトップ環境がインストールされるためです。

USE 変数を設定する

USEは、Gentooがユーザに提供する最もパワフルな変数の一つです。多くのプログラムに対して、決められた追加機能を含めたり、もしくは含めずにコンパイルすることが可能です。例えば、いくつかのプログラムはGTK+サポートもしくはQtサポートを有効にしてコンパイルできます。別のプログラムにはSSLサポートを含めたり、もしくは含めずにコンパイルすることが可能です。いくつかのプログラムはX11サポート(Xサーバー)の代わりに、フレームバッファサポート(svgalib)と共にコンパイルできます。

多くのディストリビューションでは、各種のサポートを最大限含むようにコンパイルします。これはプログラムサイズと起動時間を増大させます。多くの依存関係を発生させることは言うまでもありません。Gentooでは、ユーザーはパッケージをコンパイルする時のオプションを定義できます。ここでUSEが登場します。

USE変数を使って、ユーザーはコンパイルオプションにマップされるキーワードを指定します。例えば、sslキーワードはSSLをサポート可能なプログラムでSSLを有効にしてコンパイルします。-XキーワードはXサーバーのサポートを含まない(最初のマイナス記号で指定)ようにコンパイルします。gnome gtk -kde -qt5は、GNOME(とGTK+)サポートを有効にして、KDE(とQt)サポートを無効にします。これにより、(もし、アーキテクチャがGNOMEをサポートしていれば)システムはGNOME向けに最大限調整されます。

デフォルトの USE の設定は、システムによって使用される Gentoo プロファイルの make.defaults ファイルに記述されています。Gentoo はシステムプロファイルをサポートするために、複雑な継承システムを使用していますが、インストール作業中はこれについて深くは触れないことにします。現在有効な USE 設定を知るためのもっとも簡単な方法は、emerge --info を実行して USE で始まる行を抜き出すことです:

root #emerge --info | grep ^USE
USE="X acl alsa amd64 berkdb bindist bzip2 cli cracklib crypt cxx dri ..."
メモ
上記の例は出力のほとんどを省略しています。実際には、USE 変数のリストはずっとずっと長いものです。

使用可能なUSEフラグの完全な記述は、/var/db/repos/gentoo/profiles/use.descにあります。

root #less /var/db/repos/gentoo/profiles/use.desc

lessコマンドでは、キーとキーを使ってスクロールすることができます。qを押すと終了します。

例として、DVD、ALSA、CD書き込みをサポートしたKDEベースのUSE設定を示します。

root #nano /etc/portage/make.conf
ファイル /etc/portage/make.confDVD、ALSA、CD書き込みをサポートしたKDE/Plasmaベースのフラグ設定
USE="-gtk -gnome qt5 kde dvd alsa cdr"

/etc/portage/make.confUSE の値を定義すると、その値はシステムの USE フラグリストに追加されます。USE フラグは、リスト中の値の前に - マイナス記号を追加することで、グローバルに削除することができます。例えば、X グラフィカル環境のサポートを無効化するには、-X を設定することでこれを行えます:

ファイル /etc/portage/make.confデフォルトのUSEフラグを無視する
USE="-X acl alsa"
警告
-* を指定することで、make.conf 内で指定したもの以外のすべての USE 値を無効化することができますが、これはまったくおすすめできない、賢明でないことです。Ebuild の開発者たちは、競合を防止するため、セキュリティを向上させるため、エラーを回避するため等の理由によって、デフォルトの USE フラグを選択して ebuild で指定しています。すべての USE フラグを無効化することはデフォルトの振る舞いを否定し、重大な問題を引き起こすことがあります。

CPU_FLAGS_*

一部のアーキテクチャ (AMD64/X86、ARM、PPC を含みます) には、CPU_FLAGS_<ARCH> (<ARCH> は関連するシステムアーキテクチャ名に置き換えてください) と呼ばれる USE_EXPAND 変数があります。

重要
混乱しないで! AMD64X86 のシステムは共通のアーキテクチャを一部共有しているので、AMD64 システムのための正しい変数名は CPU_FLAGS_X86 です。

これは、通常手書きなどで書かれた特定のアセンブリコードや intrinsics 等を含めるようにビルドを構成するために使用されるもので、特定の CPU 機能のために最適化されたコードを出力するようにコンパイラに指示する (-march= 等) のとは異なります

COMMON_FLAGS を希望に応じて設定するのに加えて、この変数も設定すべきでしょう。

これをセットアップするにはいくつかのステップが必要です:

root #emerge --ask app-portage/cpuid2cpuflags

興味があるなら、出力を自分で確認してみてください:

root #cpuid2cpuflags

そして、出力を package.use にコピーしてください:

root #echo "*/* $(cpuid2cpuflags)" > /etc/portage/package.use/00cpu-flags

VIDEO_CARDS

利用できる GPU に応じて、VIDEO_CARDS USE_EXPAND 変数を適切に構成するとよいでしょう。これを行う方法は Xorg ガイドでカバーされています。コンソールのみのシステムの場合は、VIDEO_CARDS を設定する必要はありません。

追加可能: ACCEPT_LICENSE 変数を設定する

ある Gentoo パッケージのライセンスは、その ebuild 内の LICENSE 変数に保持されています。 システムが受諾する特定のライセンスやライセンスのグループは、次のファイル内で定義されます:

  • 選択されたプロファイルによって、システム全体で。
  • /etc/portage/make.conf ファイルによって、システム全体で
  • /etc/portage/package.license ファイルによって、パッケージ単位で。
  • /etc/portage/package.license/ ディレクトリのファイルによって、パッケージ単位で。

Portage は、どのパッケージのインストールを許可するか判断するために、ACCEPT_LICENSE を検索します。 システム全体での現在の設定値を表示するには、以下を実行してください:

user $portageq envvar ACCEPT_LICENSE
@FREE

必要であれば、/etc/portage/make.conf を変更することで、プロファイル内でシステム全体として受諾されているデフォルトを上書きしてください。

ファイル /etc/portage/make.confシステム全体で ACCEPT_LICENSE でライセンスを受諾する方法の例
ACCEPT_LICENSE="-* @FREE @BINARY-REDISTRIBUTABLE"

必要であれば、次のファイル例を含むディレクトリで示すように、パッケージごとに受諾するライセンスを定義することもできます。package.license ディレクトリが存在しない場合は作成しておく必要があります:

root #mkdir /etc/portage/package.license
ファイル /etc/portage/package.license/kernelライセンス承諾の例
app-arch/unrar unRAR
sys-kernel/linux-firmware @BINARY-REDISTRIBUTABLE
sys-firmware/intel-microcode intel-ucode
重要
ebuildのLICENSE変数はGentooの開発者やユーザにとってのガイドラインでしかありません。これは法的声明ではなく、これが現実を反映する保証はありません。したがってLICENSE変数を信用するのではなく、パッケージそのものを、システムにインストールされるすべてのファイルを含めて徹底的にチェックしてください。

Gentoo リポジトリによって定義され、Gentoo ライセンスプロジェクトによって管理されているライセンスグループは以下の通りです:

グループ名 説明
@GPL-COMPATIBLE フリーソフトウェア財団[a_license 1]によって承認されたGPL compatible license群
@FSF-APPROVED FSF(訳注:フリーソフトウェア財団)によって承認されたフリーソフトウェアライセンス群(@GPL-COMPATIBLEを含みます)
@OSI-APPROVED Open Source Initiative [a_license 2]によって承認されたライセンス群
@MISC-FREE おそらくフリーソフトウェアであるその他のライセンス群。言い換えると、フリーソフトウェアの定義[a_license 3]に従っているものの、FSFやOSIによって承認されていないライセンス
@FREE-SOFTWARE 自由に利用、共有、変更、および変更の共有ができるすべてのライセンスのメタセット。@FSF-APPROVED、@OSI-APPROVEDそして@MISC-FREEを組み合わせたもの
@FSF-APPROVED-OTHER FSFが承認した「無料のドキュメント」および「ソフトウェアとドキュメント以外の実用的な作品」(フォントを含む)
@MISC-FREE-DOCS free definition[a_license 4] に従っているが、@FSF-APPROVED-OTHERの一覧には載っていない無料のドキュメントおよび他の作品
@FREE-DOCUMENTS @FSF-APPROVED-OTHERと@MISC-FREE-DOCSを組み合わせたもの
@FREE @FREE-SOFTWAREと@FREE-DOCUMENTSを組み合わせたもの
@BINARY-REDISTRIBUTABLE 少なくともソフトウェアのバイナリ形式での自由な再配布を認めているライセンス群。@FREEを含みます
@EULA あなたの権利を取り去ろうとするライセンス契約。これらは"all-rights-reserved"や明示的な承諾を必要とするものよりも拘束的です.



タイムゾーン

メモ
このステップは musl libc を使う場合は適用されません。それがどういう意味か分からない場合は、このステップを実行すべきです。

タイムゾーンを選択します。/usr/share/zoneinfo/から利用可能なタイムゾーンを探してください:

root #ls /usr/share/zoneinfo

選択したタイムゾーンがEurope/Brusselsの場合は以下となります。

OpenRC

/etc/timezone ファイルにタイムゾーン名を記述します。

root #echo "Europe/Brussels" > /etc/timezone

/usr/share/zoneinfo/Etc/GMT*のタイムゾーンは、その名前が期待されるゾーンを示していないため、避けましょう。たとえば、GMT-8は実際にはGMT+8となります。

次に、sys-libs/timezone-dataパッケージを再設定しましょう。これは/etc/timezoneを元に、/etc/localtimeをアップデートします。/etc/localtimeは、システムのCライブラリが、自身が属するタイムゾーンを知るために使われます。

root #emerge --config sys-libs/timezone-data

systemd

systemd を使用している場合は、多少異なるアプローチをとります。シンボリックリンクを生成します:

root #ln -sf ../usr/share/zoneinfo/Europe/Brussels /etc/localtime

その後 systemd が起動してから、タイムゾーンとそれに関連する設定を timedatectl コマンドで設定することができます。

ロケールの設定

メモ
このステップは musl libc を使う場合は適用されません。それがどういう意味か分からない場合は、このステップを実行すべきです。

ロケールの生成

ほとんどのユーザは、一つもしくは二つのロケールを必要とします。

ロケールはシステムで使用する言語を指定するだけではなく、単語のソート順や日付、時間等のルールにも使用されます。ロケールは大文字小文字を区別するので、記載とまったく同じように表現する必要があります。利用可能なロケールの一覧は /usr/share/i18n/SUPPORTED ファイルで確認できます。

サポートされるシステムロケールは、/etc/locale.gen ファイルに定義する必要があります。

root #nano /etc/locale.gen

次のロケールの例では、英語(米国)とドイツ語(ドイツ)を(UTF-8のような)文字コードと共に指定しています。

ファイル /etc/locale.genUSとDEロケールを適切な文字コードと共に有効にする
en_US ISO-8859-1
en_US.UTF-8 UTF-8
de_DE ISO-8859-1
de_DE.UTF-8 UTF-8
警告
多くのアプリケーションは適切にビルドするのに少なくとも UTF-8 を必要とします。

次に locale-gen コマンドを実行します。このコマンドは /etc/locale.gen ファイルに記載されているすべてのロケールを生成します。

root #locale-gen

現在使用可能なすべてのロケールを確認するためには、locale -aを実行してください。

systemd を使用しているシステムでは、localectl を使用できます。localectl set-locale ... または localectl list-locales のように。

ロケールの選択

この時点で、システム全体で有効になるロケールを設定できます。eselectlocale モジュールと共に使いましょう。

eselect locale listを実行すると、利用可能なターゲットが表示されます。

root #eselect locale list
Available targets for the LANG variable:
  [1]  C
  [2]  C.utf8
  [3]  en_US
  [4]  en_US.iso88591
  [5]  en_US.utf8
  [6]  de_DE
  [7]  de_DE.iso88591
  [8]  de_DE.utf8
  [9] POSIX
  [ ]  (free form)

eselect locale set <番号> を実行することで、適切なロケールを選択することができます:

root #eselect locale set 9

手動で設定する場合は、/etc/env.d/02locale ファイルと、systemd の場合は /etc/locale.conf ファイルも編集してください。

ファイル /etc/env.d/02localeシステムのロケールをマニュアル設定する
LANG="de_DE.UTF-8"
LC_COLLATE="C.UTF-8"

ロケールを設定すると、後でカーネルをビルドしたり、他のソフトをコンパイルしたりするときに警告やエラーを回避できるでしょう。

ここで、環境をリロードします。

root #env-update && source /etc/profile && export PS1="(chroot) ${PS1}"

ロケール選択プロセス全体にわたる、さらなるガイドについては、ローカライゼーションガイドUTF-8 ガイドもお読みください。





任意自由選択: ファームウェアとマイクロコードのインストール

ファームウェア

カーネルコンフィグの節へ進む前に知っておいたほうが良いこととして、一部のハードウェアデバイスは、それを適切に動作させるために追加の (時として FOSS ライセンスに準拠しない) ファームウェアをインストールする必要がある、ということがあります。これはデスクトップとラップトップの両方で広く見られる、無線ネットワークインターフェースで必要になることが多いです。AMD、Nvidia、Intel などのベンダによる最近のビデオチップも、完全に機能させるには外部のファームウェアが必要になることが多いです。最近のハードウェアデバイスのためのファームウェアの多くは sys-kernel/linux-firmware パッケージ内で見つかるかもしれません。

最初のシステムリブートの前に、もし必要だった場合にファームウェアを使えるようにしておくために、sys-kernel/linux-firmware パッケージをインストールしておくことが推奨されます:

root #emerge --ask sys-kernel/linux-firmware
メモ
一部のファームウェアパッケージのインストールには、関連するファームウェアライセンスを受諾する必要があることがよくあります。必要であれば、ライセンスの受諾についてはハンドブックのライセンスの取り扱いの節を確認してください。

モジュールとしてビルド (M) されたカーネルシンボルは、カーネルにロードされたときに、関連するファームウェアファイルをファイルシステムからロードすることに注意してください。モジュールとしてロードされるシンボルに関しては、デバイスのファームウェアファイルをカーネルのバイナリイメージに含める必要はありません。

マイクロコード

個別のグラフィックスハードウェアやネットワークインターフェースに加えて、CPU もまたファームウェアアップデートを必要とすることがあります。こうしたファームウェアは典型的にはマイクロコードと呼ばれます。新しいリビジョンのマイクロコードは、動作の不安定さ、セキュリティ上の懸念、その他の CPU ハードウェアのさまざまなバグに対するパッチとして、必要になることがあります。

AMD CPU に対するマイクロコードアップデートは、先述の sys-kernel/linux-firmware パッケージとともに配布されます。Intel CPU に対するマイクロコードは sys-firmware/intel-microcode パッケージ内で見つかりますので、これを個別にインストールする必要があります。マイクロコードアップデートを適用する方法についてのさらなる情報は、マイクロコードの記事を確認してください。

カーネルのコンフィギュレーションとコンパイル

これで、カーネルソースを設定、コンパイルする準備が整いました。インストールの目的に応じてカーネルの管理のためのアプローチを 3 通り紹介しますが、インストール完了後はいつでも別のアプローチを採用し直すことができます。

簡単なものから込み入ったものへ、順に並べると:

完全自動アプローチ: ディストリビューションカーネル
ディストリビューションカーネルは、Linux カーネル、関連するモジュール、および (必須ではありませんがデフォルトでは有効化されている) initramfs ファイルを、設定、自動でビルド、インストールするために利用されます。将来のカーネル更新はパッケージマネージャを介して扱われるため、他のシステムパッケージとまったく同様に完全に自動で行われます。カスタマイズが必要な場合はカスタムのカーネルコンフィグファイルを提供することも可能です。これが最も簡単なプロセスで、すぐ動作するものが手に入りシステム管理者による関与を最小にできるため、新規の Gentoo ユーザには完璧です。
ハイブリッドアプローチ: Genkernel
新しいカーネルのソースがシステムパッケージマネージャを通じてインストールされます。システム管理者は Linux カーネル、関連するモジュール、および (必須ではありませんがデフォルトでは有効化されていない) initramfs ファイルを、設定、ビルド、インストールするために Gentoo の genkernel ツールを使用することができます。カスタマイズが必要な場合はカスタムのカーネルコンフィグファイルを提供することも可能です。将来のカーネル設定、コンパイル、インストールには、アップデートのたびに eselect kernelgenkernel、およびもし必要であれば他のコマンドを実行する形で、システム管理者による関与が必要です。
完全手動アプローチ
新しいカーネルのソースがシステムパッケージマネージャを通じてインストールされます。カーネルは eselect kernel と無数の make コマンドを利用して、手動で設定、ビルド、インストールされます。将来のカーネル更新はカーネルファイルの設定、ビルド、インストールの手動プロセスを繰り返して行います。これが最も込み入ったプロセスですが、カーネル更新プロセスに関して最大限の制御を行えます。

すべてのディストリビューションが構築されるその中心にあるのが Linux カーネルです。カーネルレイヤーはユーザのプログラムとハードウェアの間に存在します。ハンドブックではカーネルソースについていくつかの可能な選択肢を提供しますが、より詳しい説明付きで、より完全なカーネルソースのリストは、カーネルの概要のページで見ることができます。


カーネルソースのインストール

メモ
この節の内容は、これ以降の部分で示す genkernel (ハイブリッド) アプローチか、マニュアルカーネル管理のアプローチを採用したときのみ関係があります。

ia64 ベースのシステムにカーネルを手動でインストールしてコンパイルする場合には、Gentoo はsys-kernel/gentoo-sources パッケージを推奨しています。

適切なカーネルソースを選択して、emerge でインストールします:

root #emerge --ask sys-kernel/gentoo-sources

このコマンドはカーネルソースを /usr/src/ の下に、カーネルバージョン毎のパスを分けてインストールします。選択されたカーネルソースパッケージに対して USE=symlink が有効化されていなければ、シンボリックリンクは自動で作成されません。

現在実行しているカーネルに対応するソースを指すように、/usr/src/linux シンボリックリンクを維持することは慣例となっています。しかし、このシンボリックリンクはデフォルトでは作成されないでしょう。シンボリックリンクを作成する簡単な方法は、eselect の kernel モジュールを利用することです。

シンボリックリンクの目的と、それを管理する方法についてのさらなる情報は、Kernel/Upgrade を参照してください。

まず、インストールされているカーネルを一覧表示します:

root #eselect kernel list
Available kernel symlink targets:
  [1]   linux-3.16.5-gentoo

linux シンボリックリンクを作成するには、次を使用してください:

root #eselect kernel set 1
root #ls -l /usr/src/linux
lrwxrwxrwx    1 root   root    12 Oct 13 11:04 /usr/src/linux -> linux-3.16.5-gentoo

別の方法: Genkernel

すべてをマニュアルで設定することが困難だと思われる場合は、システム管理者はカーネル管理のためのハイブリッドアプローチとして、genkernel を使うことを考えてみるべきです。

Genkernel はジェネリックカーネルコンフィギュレーションファイルを提供し、カーネルと initramfs をコンパイルし、生成されたバイナリを適切な場所にインストールします。これによりシステムの初回起動のための最小限かつジェネリックなハードウェアサポートが得られ、さらなる更新の制御と、将来のカーネル設定のカスタマイズが可能になります。

注意: システム管理者はカーネルの保守のために genkernel を使うことで、システムのカーネル、initramfs、その他のオプションに関する更新をより制御できるようになります。その一方で、将来的に新しいソースがリリースされてカーネル更新を実施するときには、時間と労力をかけた献身が確実に必要となるでしょう。システム任せのカーネル保守アプローチを求めているのなら、ディストリビューションカーネルを使用するべきです。

もう一点明確にしておくと、genkernel が自動的に実行中のハードウェアのためにカスタマイズされたカーネルコンフィギュレーションを生成すると信じているなら、それは誤解です。genkernel は、大部分の汎用的なハードウェアをサポートするように事前に決定されたカーネルコンフィギュレーションを使用して、カーネル、関連するモジュール、そして initramfs ファイルをアセンブルしてインストールするために必要な make コマンドを、自動で操作します。

バイナリ再配布可能なソフトウェアのライセンスグループ

linux-firmware パッケージが以前にインストールされているなら、インストールの節に進んでください。

前提条件として、sys-kernel/genkernel パッケージの firwmare USE フラグがデフォルトで有効化されているため、パッケージマネージャは sys-kernel/linux-firmware パッケージを取り込もうとするでしょう。linux-firmware をインストールする前に、バイナリ再配布可能なソフトウェアライセンスを受諾する必要があります。

このライセンスグループは、/etc/portage/make.conf ファイル内で ACCEPT_LICENSE の値として @BINARY-REDISTRIBUTABLE を追加することで、すべてのパッケージに対してシステム全体で受諾することができます。/etc/portage/package.license/linux-firmware ファイルで個別の受諾を追加することで、linux-firmware パッケージのみに対して受諾することもできます。

必要であれば、ハンドブックのベースシステムのインストールの章で利用可能な、ソフトウェアライセンスを受諾する方法を再確認して、受け入れられるソフトウェアライセンスのために変更を加えてください。

分析麻痺に陥ってきたなら、次のようにすればよいでしょう:

root #mkdir /etc/portage/package.license
ファイル /etc/portage/package.license/linux-firmwarelinux-firmware パッケージのためにバイナリ再配布可能ライセンスを受諾する
sys-kernel/linux-firmware @BINARY-REDISTRIBUTABLE

インストール

説明や前提条件はさておき、sys-kernel/genkernel パッケージをインストールしてください:

root #emerge --ask sys-kernel/genkernel

生成

genkernel all を実行してカーネルソースをコンパイルしましょう。ただ、genkernel は多種多様に異なるコンピュータアーキテクチャのために、幅広いハードウェアをサポートするカーネルを生成するため、コンパイルが完了するまでにかなりの時間がかかることがあるということに注意しましょう。

メモ
もしルートパーティションまたはボリュームが ext4 以外のファイルシステムを使用している場合、おそらく genkernel --menuconfig all を使ってマニュアルでカーネルを設定し、その特定のファイルシステムのためのサポートを (モジュールとしてファイルシステムをビルドするのではなく) カーネルに組み込む必要があるでしょう。
メモ
LVM2 のユーザは以下の genkernel コマンドの引数に --lvm を加えるべきです。
root #genkernel --mountboot --install all

genkernel が完了したら、カーネルと初期 RAM ファイルシステム (initramfs) が生成され、/boot ディレクトリにインストールされていることでしょう。関連するモジュールは /lib/modules ディレクトリにインストールされるでしょう。initramfs は、(live ディスクイメージ環境でそうであるように) ハードウェアの自動検出を行うために、カーネルをロードした後すぐに開始されます。

root #ls /boot/vmlinu* /boot/initramfs*
root #ls /lib/modules

別の方法: マニュアル設定

はじめに

カーネルのマニュアル設定は、しばしばLinuxユーザーがしなければならない最も難しい手続きと考えられます。これは真実ではありません。カーネルを数回設定してみれば、それが難しいと言われていたことなど忘れてしまうでしょう!

しかし、一つだけ真実があります。カーネルをマニュアルで設定する時、ハードウェア情報を知ることはとても役に立ちます。ほとんどの情報は、lspciコマンドを含むsys-apps/pciutilsをインストールすることで得られます。

root #emerge --ask sys-apps/pciutils
メモ
chroot環境では、lspciが出力していると思われる(pcilib: cannot open /sys/bus/pci/devicesのような)pcilibの警告は、無視しても構いません。

システム情報を得るための別の方法は、lsmodを使ってインストールCDが使っているカーネルモジュールを把握することです。その情報は何を有効にすべきかとてもよいヒントを与えてくれるでしょう。

では、カーネルソースがあるディレクトリに移動して、make menuconfigを実行しましょう。このコマンドはメニューベースの設定画面を起動します。

root #cd /usr/src/linux
root #make menuconfig

Linux カーネルの設定はとても多くのセクションを持っています。まず最初にいくつかの必須オプションを述べましょう(そうでない場合、Gentoo は動作しない、もしくは追加の処置なしには正しく動作しません)。 Gentoo wiki の Gentoo カーネルコンフィギュレーションガイドには、さらに役立つ記述があるでしょう。

必須オプションを有効にする

もし sys-kernel/gentoo-sources を使用する場合は、Gentoo 固有のコンフィギュレーションオプションを有効化することを強く推奨します。これらは、正しく機能するために必要な最小限のカーネルの機能が有効化されることを確実にします:

カーネル Gentoo 固有オプションを有効化する
Gentoo Linux --->
  Generic Driver Options --->
    [*] Gentoo Linux support
    [*]   Linux dynamic and persistent device naming (userspace devfs) support
    [*]   Select options required by Portage features
        Support for init systems, system and service managers  --->
          [*] OpenRC, runit and other script based systems and managers
          [*] systemd

通常、最後の 2 行の選択は init システムの選択(OpenRCsystemd か)に依存します。両方の init システムへのサポートを有効化しても害はありません。

もし sys-kernel/vanilla-sources を使用する場合は、この init システムに関する追加の選択項目は利用できないでしょう。サポートを有効化することは可能ですが、このハンドブックの範囲からは外れることです。

典型的なシステムコンポーネントへのサポートを有効化する

システムのブートに必須となるドライバ (SATA コントローラ、NVMe ブロックデバイスサポート、ファイルシステムサポート等) は、モジュールではなく、カーネルの一部としてコンパイルしなければなりません。そうしないと、システムがまったくブートできない場合があります。

次に正確なプロセッサタイプを選択します。このとき、もし使えるのであればMCE機能を有効にすることが推奨されます。これによりハードウェアの異常が通知されるようになるでしょう。いくつかのアーキテクチャ(x86_64)で、これらのエラーはdmesgでは確認できませんが、/dev/mcelogにログが残ります。この機能を有効にするためにapp-admin/mcelogパッケージが必要になります。

また、Maintain a devtmpfs file system to mount at /devを選択することで、必須となるデバイスファイルがブートプロセスの初期段階で使えるようになります (CONFIG_DEVTMPFSCONFIG_DEVTMPFS_MOUNT):

カーネル devtmpfs サポートを有効にする (CONFIG_DEVTMPFS)
Device Drivers --->
  Generic Driver Options --->
    [*] Maintain a devtmpfs filesystem to mount at /dev
    [*]   Automount devtmpfs at /dev, after the kernel mounted the rootfs

SCSI ディスクサポートが有効になっているか確認してください(CONFIG_BLK_DEV_SD):

カーネル SCSI ディスクサポートを有効にする (CONFIG_SCSI, CONFIG_BLK_DEV_SD)
Device Drivers --->
  SCSI device support  ---> 
    <*> SCSI device support
    <*> SCSI disk support
カーネル 基本的な SATA および PATA サポートを有効化する (CONFIG_ATA_ACPI, CONFIG_SATA_PMP, CONFIG_SATA_AHCI, CONFIG_ATA_BMDMA, CONFIG_ATA_SFF, CONFIG_ATA_PIIX)
Device Drivers --->
  <*> Serial ATA and Parallel ATA drivers (libata)  --->
    [*] ATA ACPI Support
    [*] SATA Port Multiplier support
    <*> AHCI SATA support (ahci)
    [*] ATA BMDMA support
    [*] ATA SFF support (for legacy IDE and PATA)
    <*> Intel ESB, ICH, PIIX3, PIIX4 PATA/SATA support (ata_piix)

基本的な NVMe サポートが有効になっているか確認してください:

カーネル Linux 4.4.x で基本的な NVMe サポートを有効化する (CONFIG_BLK_DEV_NVME)
Device Drivers  --->
  <*> NVM Express block device
カーネル Linux 5.x.x で基本的な NVMe サポートを有効化する (CONFIG_DEVTMPFS)
Device Drivers --->
  NVME Support --->
    <*> NVM Express block device

以下の追加の NVMe サポートを有効化しても害はありません:

カーネル 追加の NVMe サポートを有効化する (CONFIG_NVME_MULTIPATH, CONFIG_NVME_MULTIPATH, CONFIG_NVME_HWMON, CONFIG_NVME_FC, CONFIG_NVME_TCP, CONFIG_NVME_TARGET, CONFIG_NVME_TARGET_PASSTHRU, CONFIG_NVME_TARGET_LOOP, CONFIG_NVME_TARGET_FC, CONFIG_NVME_TARGET_FCLOOP, CONFIG_NVME_TARGET_TCP
[*] NVMe multipath support
[*] NVMe hardware monitoring
<M> NVM Express over Fabrics FC host driver
<M> NVM Express over Fabrics TCP host driver
<M> NVMe Target support
  [*]   NVMe Target Passthrough support
  <M>   NVMe loopback device support
  <M>   NVMe over Fabrics FC target driver
  < >     NVMe over Fabrics FC Transport Loopback Test driver (NEW)
  <M>   NVMe over Fabrics TCP target support

次にFile Systemsで、システムが使用するファイルシステムに必要なサポートを選択しましょう。ルートファイルシステムに使われるファイルシステムをモジュールとしてコンパイルしてはいけません。モジュールにした場合、システムがパーティションをマウントできないおそれがあります。また、ここでVirtual memory/proc file systemも選択してください。システムの必要に応じて以下の選択肢から1個以上を選択してください:

カーネル ファイルシステムサポートを有効化する (CONFIG_EXT2_FS, CONFIG_EXT3_FS, CONFIG_EXT4_FS, CONFIG_BTRFS_FS, CONFIG_XFS_FS, CONFIG_MSDOS_FS, CONFIG_VFAT_FS, CONFIG_PROC_FS, and CONFIG_TMPFS)
File systems --->
  <*> Second extended fs support
  <*> The Extended 3 (ext3) filesystem
  <*> The Extended 4 (ext4) filesystem
  <*> Btrfs filesystem support
  <*> XFS filesystem support
  DOS/FAT/NT Filesystems  --->
    <*> MSDOS fs support
    <*> VFAT (Windows-95) fs support
  Pseudo Filesystems --->
    [*] /proc file system support
    [*] Tmpfs virtual memory file system support (former shm fs)

もしインターネットに接続するために、PPPoEもしくはダイヤルアップモデムを使う場合、次のオプションを有効にしてください (CONFIG_PPP, CONFIG_PPP_ASYNC, and CONFIG_PPP_SYNC_TTY):

カーネル PPPoE サポートを有効化する(PPPoE, CONFIG_PPPOE, CONFIG_PPP_ASYNC, CONFIG_PPP_SYNC_TTY
Device Drivers --->
  Network device support --->
    <*> PPP (point-to-point protocol) support
    <*> PPP over Ethernet
    <*> PPP support for async serial ports
    <*> PPP support for sync tty ports

2つの圧縮オプションは選択しても差し支えありませんが、必須というわけでもありません。PPP over Ethernetオプションも同様です。これはカーネルモードのPPPoEをするために設定された時だけにpppによって使用されるものです。

カーネルにネットワークカード(イーサネットもしくはワイヤレス)のサポートを組み込むことを忘れてはいけません。

多くのシステムではマルチコアを使用できます。Symmetric multi-processing supportを有効にすることは重要です (CONFIG_SMP):

カーネル SMP サポートを有効にする (CONFIG_SMP)
Processor type and features  --->
  [*] Symmetric multi-processing support
メモ
マルチコアシステムでは、それぞれのコアが1プロセッサとカウントされます。

USB接続の入力装置(キーボードやマウス)などのUSBデバイスを使用する場合、以下を必ず有効にしてください:

カーネル USB とヒューマンインプットデバイスのサポートを有効にする (CONFIG_HID_GENERIC, CONFIG_USB_HID, CONFIG_USB_SUPPORT, CONFIG_USB_XHCI_HCD, CONFIG_USB_EHCI_HCD, CONFIG_USB_OHCI_HCD, (CONFIG_HID_GENERIC, CONFIG_USB_HID, CONFIG_USB_SUPPORT, CONFIG_USB_XHCI_HCD, CONFIG_USB_EHCI_HCD, CONFIG_USB_OHCI_HCD, CONFIG_USB4)
Device Drivers --->
  HID support  --->
    -*- HID bus support
    <*>   Generic HID driver
    [*]   Battery level reporting for HID devices
      USB HID support  --->
        <*> USB HID transport layer
  [*] USB support  --->
    <*>     xHCI HCD (USB 3.0) support
    <*>     EHCI HCD (USB 2.0) support
    <*>     OHCI HCD (USB 1.1) support
  <*> Unified support for USB4 and Thunderbolt  --->


アーキテクチャに即したカーネルコンフィグ

正しいシステム種別とプロセッサ種別を選択してください。DIG-compliant はデフォルトの良い選択肢です。SGI システムにインストールするときは、SGI システム種別を選択しているか確認してください。さもないと、カーネルが動かずブートに失敗するかもしれません。

カーネル 適切な IA64 プロセッサの選択
System type --->
  (システムに応じて変更してください)
  DIG-compliant
Processor type --->
  (システムに応じて変更してください)
  Itanium 2

コンパイルおよびインストール

カーネルのコンフィグレーションが完了し、コンパイルとインストールをする時がきました。コンフィグレーションを終了させ、コンパイル作業を開始しましょう:

root #make && make modules_install
メモ
make -jX とすることで、ビルドを並行処理させることができます( X には、並行処理を許可するビルドプロセスの数を指定します。 /etc/portage/make.conf の説明中の、 MAKEOPTS 変数についてと同様です。

カーネルのコンパイルが終了したら、カーネルイメージを/にコピーしてください。カーネルの選択に適した名前を使い、また名前を覚えておいてください。後にブートローダの設定で必要です。vmlinuzをインストールされたカーネルの名前とバージョンに置換するのを忘れないでください。

root #cp vmlinux.gz /boot/vmlinuz



任意自由選択: initramfsのビルド

いくつかの特別なケースで initramfs - initial ram-based file system (訳注: 起動時の RAM ベースのファイルシステム) のビルドが必要になります。最もよくある理由は、重要なディレクトリ(/usr//var/等)が別パーティションにある場合です。initramfsがあれば、initramfsの中にあるツールを使うことで、これらのパーティションをマウントすることができます。

initramfs が無いと、ファイルシステムをマウントするツールがまだマウントされていないファイルシステムの中にある情報を必要としている場合、システムが正しく起動できないリスクがあります。initramfs はカーネルブートの直後かつ制御が init ツールに移る前に必要なファイルをアーカイブに引き込みます。initramfs のスクリプトはシステムがブートを継続するために必要なパーティションを正しくマウントすることを保証します。

重要
genkernel を使用する場合は、カーネルおよび initramfs の両方をビルドでこれを使用するべきです。genkernel を initramfs の生成のためだけに使用する場合は、genkernel--kernel-config=/path/to/kernel.config を渡すのがきわめて重要です。そうしないと、生成された initramfs が手動でビルドされたカーネルと同時に動作しない場合があります。手動でビルドされたカーネルはハンドブックのサポート範囲外であることに注意してください。詳細についてはカーネルコンフィギュレーションの記事を確認してください。

initramfsをインストールするために、最初にsys-kernel/dracutをインストールしましょう。そしてinitramfsを生成します。

root #emerge --ask sys-kernel/dracut
root #dracut --kver=3.16.5-gentoo

initramfsは/boot/に保存されます。生成されるファイルは単純にinitramfsで始まります。

root #ls /boot/initramfs*

次はカーネルモジュールです。

カーネルモジュール

利用可能なカーネルモジュールを一覧表示する

メモ
ハードウェアモジュールを手作業で列挙する必要はありません。ほとんどの場合、udev は接続を検出したハードウェアのモジュールを自動でロードします。ですが、自動でロードされるであろうモジュールを列挙することは特に有害ではありません。モジュールが二度ロードされることはありません。モジュールの状態は、ロードされているかいないか、どちらかしかありません。時として変なハードウェアは、ドライバをロードするのにこうした手助けが必要になることがあります。

/etc/modules-load.d/*.conf ファイルに、ブート時に毎回ロードしなければならないモジュールを、1 行ごとに 1 モジュールのフォーマットで追加することができます。モジュールに追加のオプションを与える必要があれば、ここではなく /etc/modprobe.d/*.confファイルで設定すべきです。

特定のカーネルバージョンで利用可能なすべてのモジュールを把握するためには、次の find コマンドを実行してください。"<kernel version>" を検索したいカーネルのバージョンで適切に置き換えることを忘れないでください:

root #find /lib/modules/<kernel version>/ -type f -iname '*.o' -or -iname '*.ko' | less

特定のカーネルモジュールのロードを強制する

3c59x.ko モジュール (これは特定の 3Com ネットワークカードファミリのためのドライバです) をロードするようにカーネルに強制するには、/etc/modules-load.d/network.conf 内にモジュール名を記載してください。

root #mkdir -p /etc/modules-load.d
root #nano -w /etc/modules-load.d/network.conf

モジュールの .ko ファイル拡張子はロード機構にとって重要ではなく、設定ファイルから除かれるということに注意してください:

ファイル /etc/modules-load.d/network.conf強制的に3c59x モジュールをロードする
3c59x

では、システムの設定に進み、インストールを続けましょう。





ファイルシステムの情報

fstab について

Linuxでは、システムで使用するすべてのパーティションは/etc/fstabに記載されていなければなりません。このファイルは、これらパーティションのマウントポイント(これらはファイルシステムに存在しなければなりません)、どのようにマウントされるべきか、また特別なオプション(自動マウントかそうでないか、ユーザー権限でマウントできるかどうか等)を定義します。

fstab ファイルを作成する

/etc/fstabファイルは表のように記述します。それぞれの行はホワイトスペース(一つまたは複数のスペース、タブ、もしくはその 2 種の組み合わせ)で区切られる 6 つのフィールドを持ちます。それぞれのフィールドの意味は以下の通りです。

  1. 最初のフィールドはマウントされるブロックスペシャルデバイスやリモートファイルシステムを示します。デバイスファイルへのパスや、ファイルシステムラベルやファイルシステムUUID,そしてパーティションラベルやパーティションUUIDを含む、いくつかの種類のデバイスIDがブロックスペシャルデバイスノードとして使用可能です。
  2. 2番目のフィールドはそのパーティションがマウントされるマウントポイントを示します。
  3. 3番目のフィールドはそのパーティションのファイルシステムの種類を示します。
  4. 4番目のフィールドは、そのパーティションをマウントするmountコマンドが使用するオプションを示します。すべてのファイルシステムは、固有のマウントオプションを持っています。システム管理者はマウントコマンドのmanページ(man mount)を参照することですべてのオプションを確認できます。複数のマウントオプションを記述する場合はカンマで区切ります。
  5. 5番目のフィールドはそのパーティションをdumpでダンプするかどうかを示しています。このフィールドは通常0(ゼロ)のままにしておいてかまいません。
  6. 6番目のフィールドは、直前のシャットダウンが正常に完了しなかったときに、fsckが各パーティションをどの順番でチェックするか示しています。ルートファイルシステムは1であるべきです。残りのファイルシステムは2(ファイルシステムチェックが不要であれば0)に設定しましょう。
重要
Gentoo stage ファイルに含まれるデフォルトの /etc/fstab ファイルは有効な fstab ではなく、関連する値を入力するために使用できるテンプレートです。
root #nano /etc/fstab

これ以降、パーティション識別子として、デフォルトのブロックデバイスファイルである/dev/sd*を使います。

ファイルシステムラベルと UUID

MBR(BIOS)とGPTの両方が、ファイルシステムラベルとファイルシステムUUIDをサポートしています。これらの属性は、ブロックデバイスを探しマウントするために使用されるmountコマンドの代用として、/etc/fstab内で定義することができます。ファイルシステムラベルやファイルシステムUUIDはそれぞれLABELUUID接頭辞で識別され、blkidコマンドで確認することができます:

root #blkid
警告
もし、パーティション内のファイルシステムが消滅すると、ファイルシステムのラベルとUUIDの値は後に変更されるか除去されます。

一意性のため、MBRスタイルのパーティションテーブルを使用している読者は、/etc/fstab内で、マウント可能なボリュームを定義するのにラベルよりもUUIDを用いることを推奨します。

重要
LVM ボリューム上に置かれたファイルシステムの UUID と、LVM ボリュームの LVM スナップショットの UUID は同じなので、LVM ボリュームをマウントするために UUID を使用するのは避けるべきです。

パーティションラベルと UUID

GPTルートを選択した人は、/etc/fstab でパーティションを定義する際に '頑丈' な方法を使うことができます。パーティション自体にどのファイルシステムが使用されているかにかかわらず、ブロックデバイスの個々のパーティションを識別するのにパーティションラベルやパーティションのUUIDを使うことができます。パーティションラベルとパーティションのUUIDはそれぞれPARTLABELPARTUUID接頭辞で識別され、そして端末で blkid コマンドを実行すると簡単に調べられます:

root #blkid

パーティションラベルも絶対にとは言えないのに対し、fstab でUUIDを使ったパーティション指定を使えば、たとえ将来ファイルシステムが変更されるとしても、ブートローダーがボリューム検出に迷うことはありません。従来のブロックデバイスファイル (/dev/sd*N) を使った指定は、SATAブロックデバイスの追加・削除とシステムの再起動が頻繁に行われるシステムでは危険です。

ブロックデバイスのファイル名は様々な要素 (ディスクがどんな順番でいくつ接続されているかを含む) によって変化します。またファイル名の順番についても、初期起動プロセス中にカーネルがどのデバイスを最初に検知するかによって変化します。つまり、ディスクの順序を頻繁にいじったりしない限りは、デフォルトのブロックデバイスファイルを使うのはシンプルで素直な方法です。



実際のパーティション構成にあわせたルールや、CD-ROMドライブのためのルールを追加してください。他にパーティションやドライブがあれば、それも忘れずに追加しておきましょう。

以下は、より詳細な/etc/fstabの例です。


ファイル /etc/fstab完全な /etc/fstab の例
# Adjust any formatting difference and additional partitions created from the Preparing the disks step

/dev/sda2   none         swap    sw                   0 0
/dev/sda3   /            xfs    defaults,noatime              0 1
  
/dev/cdrom  /mnt/cdrom   auto    noauto,user          0 0

3番目のフィールドでautoを使う場合、mountコマンドはそのパーティションのファイルシステムが何かを推測します。これは様々なファイルシステムを使う可能性があるリムーバルメディアで推奨されます。4番目のuserオプションで、ルート権限を持たないユーザーがCDをマウントできるようになります。

パフォーマンスを改善するために、多くのユーザーはマウントオプションとして noatime オプションを付け加えたいと考えるでしょう。アクセス時間が記録されないので、結果としてより高速なシステムになります (一般的にこの記録はほとんど必要ありません)。ソリッドステートドライブ (SSD) を持つシステムでもこれはおすすめです。代わりに lazytime もまた考慮に値するかもしれません。

ヒント
パフォーマンスを低下させるため、/etc/fstab 内で discard マウントオプションを定義させるのは推奨されません。cron または timer (systemd) のようなジョブスケジューラを使用して、定期的にブロックの破棄をスケジュールするほうが、一般的により良い方法です。さらなる情報については、Periodic fstrim jobs を確認してください。

再度/etc/fstabを確認して、保存、エディタを終了します。

ネットワーク接続のための情報

重要な注意点として、このセクションは読者がシステムをローカルエリアネットワークに手っ取り早く参加させることができるように、提供しています。

OpenRC を動かしているシステムについては、ネットワーク設定のためのより詳細なリファレンスが、ハンドブックの終わりのほうの高度なネットワーク設定のセクションでカバーされています。より詳細なネットワーク要件のあるシステムは一度そちらへ飛んで、それからここに戻ってきて残りのインストール作業を続ける必要があるかもしれません。

より詳細な systemd のネットワーク設定については、systemd の記事のネットワークの箇所を確認してください。

ホスト名

さて、PCには名前をつけなければいけません。至極簡単に思えますが多くのシステム管理者はホスト名として適切な名前を付けるのに苦労しています。事を早く進めるために、選んだ名前は後で変更できることを知っておいてください。判りやすいように、ここでは単にマシンをtuxと呼ぶことにします。

ホスト名を設定する (OpenRC または systemd)

root #echo tux > /etc/hostname

systemd

現在実行中の systemd についてシステムのホスト名を設定するには、hostnamectl ユーティリティを使うことができます。しかしながらインストールプロセス中は、systemd-firstboot コマンドを代わりに使う必要があります (後でハンドブックの該当箇所を参照してください)。

ホスト名を "tux" に設定するためには、次のようにします:

root #hostnamectl hostname tux

hostnamectl --help または man 1 hostnamectl を実行することで、ヘルプを確認してください。

ネットワーク

ネットワークインターフェースを構成するために利用できる選択肢は多く存在します。この節ではそのうち一部の方法だけをカバーします。必要な構成に最適と思われるものをひとつ選んでください。

dhcpcd での DHCP (どんな init システムでも)

多くの LAN ネットワークは DHCP サーバは運用しています。その場合は、dhcpcd プログラムを使用して IP アドレスを取得するのがおすすめです。

インストールするには:

root #emerge --ask net-misc/dhcpcd

OpenRC システム上で、サービスを有効化して開始するには:

root #rc-update add dhcpcd default
root #rc-service dhcpcd start

systemd システム上で、サービスを有効化して開始するには:

root #systemctl enable --now dhcpcd

これらのステップが完了したら、次にシステムが起動したときに、dhcpcd が DHCP サーバから IP アドレスを取得するはずです。さらなる詳細については Dhcpcd の記事を確認してください。

netifrc (OpenRC)

ヒント
これは OpenRC 上で Netifrc を使ってネットワークをセットアップするときに固有の方法です。他にも Dhcpcd のような、より簡潔なセットアップの方法も存在します。
ネットワークを設定する

Gentoo Linux をインストールしている間、ネットワークが使えるように設定されています。しかし、それは live 環境のためのネットワーク設定であり、インストールされた環境のためのものではありません。では、インストールされた Gentoo Linux のネットワークを設定しましょう。

メモ
bonding、ブリッジ、802.1Q VLAN、無線ネットワークに間するより詳細な情報は、追加のネットワーク設定セクションを参照してください。

すべてのネットワーク設定は/etc/conf.d/netにあります。直接的ではありますが、おそらく直感で理解できる構文ではありません。しかし恐れることはありません。すべては以下で説明されます。/usr/share/doc/netifrc-*/net.example.bz2に、多くの異なる設定に対して完全にコメントが付与された例が記載されています。

最初に net-misc/netifrc をインストールします。

root #emerge --ask --noreplace net-misc/netifrc

DHCPはデフォルトで使用されます。DHCPを動かすために、DHCPクライアントをインストールしなければなりません。これは Installing Necessary System Toolsで説明されます。

もし、特別なDHCPのオプションを設定している、もしくはDHCPをまったく使いたくない等の理由で、ネットワーク接続をしなければならないときは、/etc/conf.d/netを編集します。

root #nano /etc/conf.d/net

IPアドレスとルーティングを設定するのはconfig_eth0routes_eth0です。

メモ
ここではネットワークインターフェイスがeth0であると仮定していますが、これはシステムによって違います。もし、最近のインストールメディアから起動しているのであれば、インストール時と同じインターフェイス名が使われると思ってよいでしょう。より詳しい情報はネットワークインターフェースの命名セクションを参照してください。
ファイル /etc/conf.d/net静的 IP アドレスの定義
config_eth0="192.168.0.2 netmask 255.255.255.0 brd 192.168.0.255"
routes_eth0="default via 192.168.0.1"

DHCPを使う場合は、config_eth0を設定してください。

ファイル /etc/conf.d/netDHCPの定義
config_eth0="dhcp"

さらなる設定オプションのリストについては、/usr/share/doc/netifrc-*/net.example.bz2を参照してください。もし特定のDHCPを設定しなければならないときは、DHCPクライアントのmanページも必ず読みましょう。

もし、システムが複数のネットワークインターフェースを持っている場合は、config_eth1config_eth2、…に対して上記の手順を繰り返してください。

設定を保存し、エディタを終了しましょう。

起動時に自動でネットワーク接続する

ブート時にネットワークインターフェースを有効にする場合は、デフォルトランレベルにそれらを追加する必要があります。

root #cd /etc/init.d
root #ln -s net.lo net.eth0
root #rc-update add net.eth0 default

もし、複数のネットワークインターフェースがある場合は、net.eth0と同じ方法で、適切なnet.*ファイルを作成しなければなりません。

もし、ブート後、ネットワークインターフェース名(現在、このドキュメントではeth0と記述)が間違っていた場合、次の手順で修正してください。

  1. 正しいインターフェース名で/etc/conf.d/netファイルを更新します。(例えばeth0enp3s0またはenp5s0と修正)
  2. 新しいシンボリックリンクを作成。(例えば/etc/init.d/net.enp3s0
  3. 古いシンボリックリンクを消去。(rm /etc/init.d/net.eth0
  4. 新しいスクリプトをデフォルトランレベルに追加。
  5. rc-update del net.eth0 defaultで古いスクリプトを消去。

hosts ファイル

次の重要なステップは、この新しいシステムのネットワーク環境内の他のホストについて、システムに教えることかもしれません。ネットワークホスト名は /etc/hosts で定義することができます。ホスト名をここに追加することで、ネームサーバでは解決できないホストについて、ホスト名から IP アドレスを解決できるようになります。

root #nano /etc/hosts
ファイル /etc/hostsネットワーク情報の記述
# 以下は本システムの定義です。必ず設定されなければなりません。
127.0.0.1     tux.homenetwork tux localhost
  
# ネットワーク上にあるその他のホストの定義です。任意設定です。
192.168.0.5   jenny.homenetwork jenny
192.168.0.6   benny.homenetwork benny

設定をセーブし、エディタを終了しましょう。


システム情報

root パスワード

passwdコマンドでルートのパスワードを設定します。

root #passwd

後で、日常の作業のための一般ユーザーアカウントを作成します。

init と boot 設定

OpenRC

Gentoo で OpenRC を使用しているときは、OpenRC はシステムのサービス、スタートアップ、シャットダウンの設定に /etc/rc.conf を使います。/etc/rc.conf を開いて、ファイル中のすべてのコメントを楽しみましょう。設定をレビューして、必要な箇所を変更してください。

root #nano /etc/rc.conf

次に、キーボードを設定するために/etc/conf.d/keymapsを開いて、正しいキーボードを選択、設定します。

root #nano /etc/conf.d/keymaps

keymap変数に特に注意してください。もしキーマップを間違えた場合、キーボードを叩くたびに、奇妙な現象が起こるでしょう。

最後に、クロック設定をするために/etc/conf.d/hwclockを編集します。個々の好みに合わせて設定できます。

root #nano /etc/conf.d/hwclock

もし、ハードウェアクロックがUTCになっていない場合、このファイルにclock="local"を記述しなければなりません。そうでない場合、クロックスキューが発生するでしょう。

systemd

まず、システムが正しく起動できるようにするために、systemd-firstboot を実行することをおすすめします。これは、新しい systemd 環境への最初のブートのために、システムのさまざまなコンポーネントが正しく設定されるように準備します。次のオプションを渡すことで、ロケール、タイムゾーン、ホスト名、root パスワード、そして root シェル値を設定するための、ユーザへのプロンプトを含めます。加えて、システムにランダムなマシン ID を割り当てます:

root #systemd-firstboot --prompt --setup-machine-id

次に、インストールされているすべてのユニットファイルをプリセットのポリシー値にリセットするため、ユーザは systemctl を実行すべきです:

root #systemctl preset-all --preset-mode=enable-only

完全にプリセットにするには次で行えますが、これまでのプロセスで既に設定したすべてのサービスもリセットするかもしれません:

root #systemctl preset-all

live 環境からインストール先の最初のブートへのシームレスな移行を確実に行うために、これらの 2 ステップは有用でしょう。





システムロガー

OpenRC

同じ機能が複数のパッケージによって提供されるツールがいくつかあります。そういったツールはstage3アーカイブには含まれていません。どのパッケージをインストールしたいのかをあなた次第で選んでください。

まずシステムにロギング機構を提供するツールを決定しましょう。UnixとLinuxでは歴史をかけて素晴らしいログ機能を発展させてきました -- お望みならログファイルにシステムで起こった全てを記録できます。

Gentooでは複数のシステムロガーから使いたいものを選択することができます。このうちのいくつかを紹介します。

  • app-admin/sysklogdは、システムのログを取得するための伝統的なデーモンを集めたものです。デフォルトのログ設定をそのまま使ってもうまく働くので、このパッケージは初心者にはいい選択肢です。
  • app-admin/syslog-ngは、進化したシステムロガーです。1つの大きなファイルにログを取る以上のことをするには、何らかの設定が必要です。更に上級のユーザは、ロギングの発展性に基いてこのパッケージを選択できます。スマートなロギングのためには追加の設定が必要になることに注意してください。
  • app-admin/metalogは、高度な設定ができるシステムロガーです。

Gentoo ebuild リポジトリにはまだまだ他のシステムロガーがあることでしょう。日毎に利用可能なパッケージは増えていますから。

ヒント
もし syslog-ng を使おうと思っているなら、後で logrotate をインストールして設定しましょう。syslog-ng にはログファイルをローテーションする機構がありません。一方で、より新しいバージョン (>= 2.0) の sysklogd は自身でログローテーションを行います。

選択したシステムログツールをインストールするには、それを emerge してください。OpenRC では、rc-update を使ってデフォルトのランレベルにスクリプトを追加してください。次の例では app-admin/sysklogd をインストールして、それをシステムの syslog ユーティリティとして有効化します:

root #emerge --ask app-admin/sysklogd
root #rc-update add sysklogd default

systemd

ここまで OpenRC ベースのシステムのためにロギング機構の選択肢を提示しましたが、一方 systemd には systemd-journald という組み込みのロガーが含まれています。systemd-journald サービスは、上のシステムロガーの節で概説したロギング機能のほとんどを取り扱うことができます。つまり、システムマネージャおよびサービスマネージャとして systemd を実行するシステムのほとんどでは、追加の syslog ユーティリティを追加する部分を問題無く省略することができます。

journalctl を利用したシステムログの検索、閲覧についての詳細は、man journalctl を参照してください。

中央ホストへログを転送する場合などさまざまな理由により、systemd ベースのシステム上で冗長なシステムロギング機構を含めたいことがあるかもしれません。これはハンドブックの典型的想定読者にとっては一般的な事態ではなく、高度なユースケースであるとみなします。そのため、ハンドブックでは取り扱いません。

任意自由選択: cronデーモン

OpenRC

cronデーモンは入れても入れなくてもよく、システムに必須ではありませんが、インストールしておくのが賢明でしょう。

cron デーモンは、予定された間隔を空けてコマンドを実行します。間隔は毎日、毎週、毎月、毎火曜日、隔週、などで設定できます。賢明なシステム管理者は、定型的なシステム管理タスクを、cron デーモンを活用して自動化するでしょう。

すべての cron デーモンは予定されたタスクのための高いレベルの粒度をサポートしており、また通常は、予定されたタスクが期待通り完了しなかった場合に、e メール等の形式で通知を送信する機能を含んています。

Gentoo ではいくつもの cron デーモンを提供しています:

  • sys-process/cronie - cronie はオリジナルの cron をベースとしていて、PAM と SELinux を使用できるなど、セキュリティと設定の改良がなされています。
  • sys-process/dcron - この軽量な cron デーモンは、利便性を損わない範囲で、簡潔で安全であることを目標としています。
  • sys-process/fcron - cron および anacron の機能を含めて拡張されたコマンドスケジューラ。
  • sys-process/bcron - 安全な操作を念頭に入れて設計された、比較的新しい cron システム。これを実現するために、システムは複数の独立したプログラムに分けられていて、それぞれが独立したタスクに責任を持ち、プログラム間の通信は厳密に制御されています。

cronie

次の例では sys-process/cronie を使用します:

root #emerge --ask sys-process/cronie

電源投入時に自動で cronie を開始するために、cronie を default システムランレベルに追加してください:

root #rc-update add cronie default

代替案: dcron

root #emerge --ask sys-process/dcron

cron エージェントとして dcron を使う場合、初期設定のための追加コマンドが必要です。

root #crontab /etc/crontab

代替案: fcron

root #emerge --ask sys-process/fcron

スケジュールされたタスクハンドラとして fcron を選択した場合、追加で emerge ステップが必要です:

root #emerge --config sys-process/fcron

代替案: bcron

bcron は組み込みの特権分離を持つ、新しい cron エージェントです。

root #emerge --ask sys-process/bcron

systemd

システムロギングと同様に、sysmted ベースのシステムには予定されたタスクのためのサポートが、タイマーという形ですぐ使える状態で含まれています。systemd タイマーはシステムレベルでもユーザレベルでも実行することができ、伝統的な cron デーモンが提供するものと同じ機能を含んでいます。冗長な可能性が必要でない限り、cron デーモンのような追加のタスクスケジューラをインストールすることは通常は不要で、問題無く省略することができます。

任意自由選択: ファイルのインデックスを作成

より高速なファイル検索のためにファイルシステム中の各ファイルのインデックスを作成するときは、sys-apps/mlocateをインストールしてください。

root #emerge --ask sys-apps/mlocate

任意自由選択: リモートシェルアクセス

ヒント
opensshd のデフォルト設定は、リモートユーザとして root にログインすることを許可していません。必要であれば非 root ユーザを作成して、インストール完了後にアクセスできるように適切に設定するか、root を許可するように /etc/ssh/sshd_config を修正してください。

インストール後、システムにリモートからアクセスできるようにするためには、ブート時に sshd を開始するように設定する必要があります。

OpenRC

OpenRC で sshd init スクリプトを default ランレベルに追加するには:

root #rc-update add sshd default

(たとえばリモートサーバで)シリアルコンソールからアクセスしなければならない場合、agetty を設定する必要があります。

/etc/inittab のシリアルコンソールの部分のコメントを外してください:

root #nano -w /etc/inittab
# SERIAL CONSOLES
s0:12345:respawn:/sbin/agetty 9600 ttyS0 vt100
s1:12345:respawn:/sbin/agetty 9600 ttyS1 vt100

systemd

SSH サーバを有効化するには、次を実行してください:

root #systemctl enable sshd

シリアルコンソールサポートを有効化するには、次を実行してください:

root #systemctl enable getty@tty1.service

省略可能: シェル補完

Bash

Bash は Gentoo システムのデフォルトのシェルですので、補完拡張をインストールすることでシステムの管理を効率的かつ便利にすることができます。app-shells/bash-completion パッケージは、Gentoo に固有のコマンドや多くの共通のコマンドとユーティリティで利用できる補完をインストールします:

root #emerge --ask app-shells/bash-completion

インストール後は、各コマンドのための bash 補完を eselect を通じて管理することができます。さらなる詳細については、bash の記事の Shell completion integrations のセクションを参照してください。

時刻同期

システム時刻を同期する方法を利用することは重要です。これは通常 NTP プロトコルおよびソフトウェアによってなされます。Chrony など、NTP プロトコルを使用する他の実装もあります。

例えば、Chrony をセットアップするには:

root #emerge --ask net-misc/chrony

OpenRC

OpenRC では、次を実行してください:

root #rc-update add chronyd default

systemd

systemd では、次を実行してください:

root #systemctl enable chronyd.service

代わりに systemd ユーザは、デフォルトでインストールされている、よりシンプルな systemd-timesyncd NTP クライアントを利用したいかもしれません。

root #systemctl enable systemd-timesyncd.service

ファイルシステムツール

使っているファイルシステムよって、(ファイルシステムの整合性をチェックしたり、ファイルシステムを (再) フォーマットするために) 必須のファイルシステムツールをインストールする必要があるかもしれません。ext4 ユーザ空間ツール(sys-fs/e2fsprogs) は @system 集合の一部としてインストール済みであることに注意してください。

次の表は、インストールされた環境に特定のファイルシステムのツールが必要な場合、どのツールをインストールすべきかを示します。

ファイルシステム パッケージ
XFS sys-fs/xfsprogs
ext4 sys-fs/e2fsprogs
VFAT (FAT32, ...) sys-fs/dosfstools
Btrfs sys-fs/btrfs-progs
ZFS sys-fs/zfs
JFS sys-fs/jfsutils
ReiserFS sys-fs/reiserfsprogs

nvme 等のデバイスとともに適切にスケジューラを動作させるためには、sys-block/io-scheduler-udev-rules をインストールするのがおすすめです:

root #emerge --ask sys-block/io-scheduler-udev-rules
ヒント
Gentooのファイルシステムについてのさらなる情報は、ファイルシステムの記事を参照してください。

ネットワークツール

もし、以前のシステムの設定のステップでネットワークが構成されていて、それでネットワーク設定が完了している場合は、この 'ネットワークツール' のセクションは飛ばして問題ありません。その場合はブートローダーの設定に進みましょう。

DHCP クライアントをインストールする

重要
多くのユーザはネットワークに接続するために DHCP クライアントが必要になるでしょう。もし DHCP クライアントがひとつもインストールされていない場合、ネットワークに接続できないことになり、これにより DHCP クライアントを後でダウンロードすることができなくなってしまいます。

DHCP クライアントは、netifrc スクリプトを使用して、一つ以上のネットワークインターフェースのために自動的に IP アドレスを取得します。net-misc/dhcpcdがお薦めです (dhcpcd も参照してください):

root #emerge --ask net-misc/dhcpcd

任意自由選択: PPPoE クライアントのインストール

もしインターネットに接続するためにPPPを使うのであれば、net-dialup/pppパッケージをインストールします。

root #emerge --ask net-dialup/ppp

任意自由選択: 無線ネットワークツールのインストール

もしシステムをワイヤレス・ネットワークに接続させるつもりならば、オープンネットワークあるいはWEPネットワークを使用するためにnet-wireless/iwパッケージを、あるいはWPAまたはWPA2ネットワークを使用するためにnet-wireless/wpa_supplicantパッケージをインストールしてください。iwはまた、ワイヤレス・ネットワークの検出のための便利で基本的な診断ツールでもあります。

root #emerge --ask net-wireless/iw net-wireless/wpa_supplicant

次はブートローダーの設定です。






elilo のインストール

IA64 platform are EFI platforms. At least the following boot loader applications are known to work: elilo and grub.

elilo (old and tested)

root #emerge --ask sys-boot/elilo

Its configuration file is called /etc/elilo.conf and a sample file is installed in the typical docs directory (/usr/share/doc/elilo-<version>/). Here is another sample configuration:

ファイル /etc/elilo.confExample elilo configuration
boot=/dev/sda1
delay=30
timeout=50
default=Gentoo
append="console=ttyS0,9600"
prompt
  
image=/vmlinuz
	label=Gentoo
	root=/dev/sda3
	read-only
  
image=/vmlinuz.old
	label=Gentoo.old
	root=/dev/sda3
	read-only

The boot line tells elilo the location of the boot partition (in this case, /dev/sda1). The delay line sets the number of 10th of seconds before automatically booting the default when in non-interactive mode. The timeout line is just like the delay line but for interactive mode. The default line sets the default kernel entry (which is defined below). The append line adds extra options to the kernel command line. The prompt sets the default elilo behavior to interactive.

The sections that start with image define different bootable images. Each image has a nice label, a root filesystem, and will only mount the root filesystem read-only.

If, while building the Linux kernel, an initramfs was also configured to boot from, then it is necessary to change the configuration by referring to this initramfs file and telling the initramfs where the root device is at:

ファイル /etc/elilo.confUpdated configuration to reflect use of initramfs
image=/vmlinuz
	label=Gentoo
	initrd=/initramfs-genkernel-ia64-3.16.5-gentoo
	append="initrd=initramfs-genkernel-ia64-3.16.5-gentoo root=/dev/sda3 console=ttyS0,9600"
	read-only

When the configuration is done, run elilo --efiboot. The --efiboot option adds a menu entry for Gentoo Linux to the EFI Boot Manager:

root #elilo --efiboot

grub (new and shiny)

The setup is a generic efi64 process (tested at least on rx3600). Enable efi64 application for grub:

ファイル /etc/portage/make.conf
GRUB_PLATFORMS=efi-64
Install grub package:
root #emerge --ask sys-boot/grub

Install grub EFI application:

root #grub-install

This will install grubia64.efi into /boot/efi (default EFI partition location).

Generate bootloader config with menu entries:

root #grub-mkconfig --output=/boot/grub/grub.cfg
.

Add an EFI boot entry to run /EFI/gentoo/grubia64.efi as a boot loader. TODO: provide exact Efibootmgr command that adds an entry.


システムのリブート

chroot環境を出て、全てのパーティションをアンマウントします。次に、最終かつ真のテストを実行するためのマジカルコマンドrebootを入力しましょう。

root #exit
cdimage ~#cd
cdimage ~#umount -l /mnt/gentoo/dev{/shm,/pts,}
cdimage ~#umount -R /mnt/gentoo
cdimage ~#reboot

もちろん、ブートCDを取り出しておいてください。そうしないと新しいGentooではなく、再度CDをブートしてしまいます。

新規にインストールされた Gentoo をリブートした後は、最終章インストールの締めくくりに進みましょう。





ユーザー管理

毎日使用するためのユーザを追加します

Unix/Linuxシステム上で、rootとして作業するのは危険であり、できるだけ避けるべきです。そのため、日々の使用のためのユーザーを追加することを強くお勧めします。

グループは、そのグループに所属するメンバーができることを定義します。次の表はいくつかの重要なグループを示します。

グループ 説明
audio オーディオデバイスにアクセスできます。
cdrom 光学デバイスに直接アクセスできます。
floppy フロッピーデバイスに直接アクセスできます。
games ゲームができます。
portage Portageの制限されたリソースにアクセスできます。
usb USBデバイスにアクセスできます。
video ビデオキャプチャのためのハードウェアにアクセスして、ハードウェアアクセラレーションを有効にできます。
wheel suを使うことができます。

例えばwheelusersaudioの3グループに所属するlarryというユーザを作成するには、最初にrootとしてログインし(rootだけがユーザを作ることができます)、useraddを実行します。

Login:root
Password: (rootのパスワードを入力してください)
root #useradd -m -G users,wheel,audio -s /bin/bash larry
root #passwd larry
Password: (larryのパスワードを入力してください)
Re-enter password: (確認のためにもう一度パスワードを入力してください)

もし、root で何か作業をする場合は、一時的に root 権限を得るために su - を使います。別の方法は sudo (app-admin/sudo) または doas (app-admin/doas) ユーティリティを使用することです。これらは (正しく設定されれば) とても安全です。

ディスクのクリーンアップ

tar ファイルの削除

Gentooのインストールおよびリブート完了後、かつインストールがすべてうまくいった場合、ダウンロードしたステージ3のtarファイルを削除できます。このファイルは/ディレクトリにダウンロードされたことを思いだしましょう。

root #rm /stage3-*.tar.*

次にすることは?

次に何をすればいいかわかりませんか?探索する道が多くあります。Gentooには多くの可能性と共にユーザーが存在します。それゆえ、このwikiや他のGentooに関連するサブドメイン群(下の Gentoo オンラインを見てください)を探索するため、多くのドキュメント化された機能を使うことができます(記述量は多くないのですが…)。

さらなるドキュメント

重要な注意事項として、Gentoo で採用できる選択肢の多さから、このハンドブックが提供するドキュメントの範囲は一部に限られています。ハンドブックの主眼は、Gentoo システムを構築して基本的な管理活動を行えるようにすることに置いています。ハンドブックはあえて、グラフィカル環境、セキュリティ強化 (hardening) についての詳細、その他重要な管理タスクについての指示を除外しています。とはいえ、基本的な機能に関して読者を助けるため、ハンドブックのセクションをまだいくつか用意しています。

読者は絶対に、ハンドブックの Gentoo の操作を読むべきです。これにはソフトウェアをどのように最新の状態にしておくのか、追加のソフトウェアパッケージをどのようにインストールするのか、USE フラグや Gentoo の OpenRC 初期システムの詳細や、インストール後の Gentoo システムを扱うことに関する他の様々な有益なトピックについてが説明されています。

ハンドブック以外では、コミュニティから追加提供されるドキュメントを見つけるために、Gentoo wiki の他のコーナーを探索したいと思うでしょう。Gentoo wiki チームは、documentation topic overview を提供しています。これは、この Wiki にある記事のセレクションをカテゴリー別に一覧にしています。例えば、システムをよりあなたの国に適したものとするためには、ローカライゼーションガイドを参照します(特に英語を第二外国語として話すユーザにとって便利なものです)。

デスクトップ用途で利用したい多数派のユーザは、日常的に使用するためのグラフィカル環境をセットアップすることになるでしょう。対応しているデスクトップ環境 (DE)ウィンドウマネージャ (WM) については、コミュニティによって維持されている 'メタ' 記事が多数存在します。それぞれの DE が必要なセットアップ作業は微妙に異なっているため、ブートストラップ作業の複雑性が増えることに注意してください。

その他にも、Gentoo 上で利用可能なソフトウェアについての俯瞰的な概要を提供するメタ記事が多数存在します。

Gentoo オンライン

重要
読者は、すべての公式の Gentoo オンラインサイトが Gentoo の行動規範によって治められていることに注意するべきです。Gentoo のコミュニティで活動することは特権で、権利ではありません。そしてユーザは、行動規範が理由があるために存在することを知っていると見なされます。

Libera.Chatが運営するInternet Relay Chat(IRC)ネットワークと、メーリングリストを除いて、ほとんどのGentooのウェブサイトは質問をしたり、議論を開始したり、バグを報告するために、サイト単位でアカウントを必要とします。

フォーラムと IRC

私たちのGentoo forumsや多くのInternet Relay Chat Channelsの一つに参加することはウェルカムです。新規のGentooのインストールの最中に遭遇した問題が、過去に発見されたか、またその後いくつかのフィードバックの後に解決したかをフォーラムで調べるのは簡単です。初めてのGentoo故に他のユーザがインストールの問題を経験する可能性は驚くべきものです。ユーザはGentooサポートチャンネルで手助けを求める前に、フォーラムやwikiを調べるよう勧められています。

メーリングリスト

フォーラムやIRCでアカウントを作成するよりはむしろ、メール上でサポートやフィードバックを求めるほうがいいというコミュニティメンバーのために、いくつかのメーリングリストが利用可能です。ユーザは特定のメーリングリストを購読するために説明に従う必要があります。

バグ

時々、wikiを見たり、フォーラム内を探したり、IRCチャンネルやメーリングリストにサポートを求めても、問題に対する既知の解決策がない場合があります。一般的にこれは、GentooのBugzillaサイトにバグを公開する合図です。

開発ガイド

Gentooの開発についてより多くのことを学びたいと考えている読者は、開発ガイドを見ると良いでしょう。このガイドにはebuildの書き方、eclassの扱い方についての説明や、Gentooの開発の背後にある、多くの一般概念の定義が載っています.

締めくくり

Gentooは堅固で、柔軟でそして素晴らしく維持されたディストリビューションです。開発者コミュニティは、Gentooをどのようにさらによりよいディストリビューションにするかについてのフィードバックを聞けることを嬉しく思います。

確認として書いておきますが、このハンドブックに対するすべてのフィードバックは、ガイドライン(ハンドブックのはじめにあるどうやってハンドブックを改善しますか?のセクションに詳細があります)に従っているべきです。

We look forward to seeing how our users will choose to implement Gentoo to fit their unique use cases and needs.




Warning: Display title "Gentoo Linux ia64 ハンドブック: Gentoo をインストールする" overrides earlier display title "ハンドブック:IA64/フル/インストール".