マウント
マウントするとは、一般にコンピュータの現在アクセス可能なファイルシステムに、追加のファイルシステムをつなぎ合わせることを指します。[1]
インストール
mount コマンドは util-linux パッケージに含まれています。Gentoo Linux では、sys-apps/util-linux パッケージは system 集合の一部であり、デフォルトですべての Gentoo システムにインストールされています。
もしなにか奇妙で普通ではない理由でパッケージが見当たらないのであれば、単純に emerge コマンドを実行すれば再インストールできます (必ず --oneshot
オプションを使用してください)。これは USE フラグを変更した場合にも使用できます:
root #
emerge --ask --oneshot sys-apps/util-linux
使い方
root #
mount --help
マウント状況を一覧表示する
マウントされているファイルシステムを表示するには、mountコマンドを引数やオプションなしで実行します:
root #
mount
sys-apps/util-linux が提供する findmnt を使用して、マウントされているファイルシステムをより視覚的に表示する方法も存在します。さらなる詳細については man 8 findmnt を確認してください。
ファイルシステムをマウントする
ファイルシステムをマウントするためには、デバイスファイル、UUID またはラベル、あるいは他の、パーティションやデータソースの場所を示す手段、そしてマウントポイントが必要です。システムに関係しないファイルシステムは通常 /mnt ディレクトリにマウントされます。ファイルシステムをマウントするための適切な文法は次のとおりです:
root #
mount <デバイス> <ディレクトリ>
詳細については man 8 mount を参照してください。
/media ディレクトリは通常 USB ドライブや SD カードのようなリムーバブルデバイスをマウントするのに用いられます。USB ドライブがどのデバイスとして表示されているのかを確認した後、以下のようなコマンドを用いて、/media の中にある、新しく作られた usb フォルダに USB ドライブの内容をマウントすることができます:
root #
mkdir /media/usb
root #
mount /dev/sdb1 /media/usb
ファイルシステムをアンマウントする
ファイルシステムをアンマウントするときには、デバイスファイルかマウントポイントを指定することができます。
root #
umount <デバイス>
root #
umount <ディレクトリ>
使い方の情報:
user $
umount --help
マウントオプション
時々、ファイルシステムをマウントする時に特別なオプションを必要とすることがあります:
root #
mount [オプション] <デバイス> <ディレクトリ>
オプション | 説明 |
---|---|
-f
|
マウントのシミュレーションを行います |
-t
|
ファイルシステムを指定します (例:ext4) |
-o オプション1,オプション2,...
|
マウントオプションを指定します (下記参照) |
-a
|
/etc/fstab 内のすべてのファイルシステムをマウントします |
使用されるファイルシステムは、渡されるマウントオプションをサポートしていなければなりません。多くのオプションは共通ですが、いくつかはファイルシステム特有です。
オプション | 説明 |
---|---|
defaults
|
デフォルトのマウントオプションを使用します: rw 、suid 、dev 、exec 、auto 、nouser 、async 。
|
auto
|
ブート時に自動でファイルシステムをマウントします。 |
noauto
|
ブート時に自動でファイルシステムをマウントしません。 |
ro
|
ファイルシステムを読み込み専用でマウントします。 |
rw
|
ファイルシステムを読み書き可能な状態でマウントします。 |
sw
|
スワップパーティションをマウントします。 |
atime
|
読み込み時に毎回 inode のアクセス時間を更新します。 |
relatime
|
入出力のパフォーマンスを向上させるために、書き込み時のみ inode のアクセス時間を更新します。 |
noatime
|
入出力のパフォーマンスを最高にするために、inode のアクセス時間を一切更新しません。 |
sync
|
書き込み後に毎回ドライブを sync (訳注: メモリ上にあるキャッシュを実際にドライブに書き出すこと) します。一部のフラッシュドライブなどでは寿命を縮めることがあります。 |
async
|
非同期的にドライブを sync します。 |
discard
|
Linux における trim サポートと同等のものです。 |
exec
|
バイナリの実行を許可します。 |
noexec
|
バイナリの実行を許可しません。 |
suid
|
SUID ビットや SGID ビットに従います。 |
nosuid
|
SUID ビットや SGID ビットに従いません。 |
user
|
ユーザーにファイルシステムのマウントを許可します。明示的に dev 、exec 、または suid を設定しない限り、それぞれ nodev 、noexec 、そしてnosuid オプションが暗に含まれます。
|
users
|
すべてのユーザーにファイルシステムのマウントを許可します。 |
nouser
|
"root" だけにファイルシステムのマウントを許可します。 |
すでにマウントされているファイルシステムのマウントオプションは、remount
オプションを使用して変更することができます。例えば、/dev/foo 上のファイルシステムを、読み書き可能としてマウントするには、以下のようにして行えます:
root #
mount -o remount,rw /dev/foo /dir
ヒント
非スーパーユーザーとしてマウントする
man mount によると、スーパーユーザーだけがファイルシステムをマウント可能です。しかし、/etc/fstab の行中に user
オプションが含まれている場合、すべてのユーザーが対応するパーティション、デバイスあるいはドライブなどをマウントすることが可能になります。
リムーバブルメディアのマウント
リムーバブルメディアのページ内の関連するセクションを参照してください。
Windows ファイル共有 (CIFS) のマウント
/etc/fstab へ登録しているにもかかわらず、非ルートユーザが Windows との共有ファイルシステムをマウントしようとすると失敗するでしょう (セキュリティの理由のため)。以下の例は、Windows との共有ファイルシステムの fstab の項目です。cifs
オプションに注目してください:
/etc/fstab
[...]
//server/folder /home/larry/winmount cifs noauto,user 0 0
[...]
user $
mount /home/larry/winmount
This program is not installed setuid root - "user" CIFS mounts not supported.
解決策として、パスワードなしでマウントするために、/etc/sudoersに対応するエントリを書いて、sudo mount /home/larry/winmountを使用します。
/etc/sudoers
[...]
larry ALL = NOPASSWD: /bin/mount /home/larry/winmount/, /bin/mount /home/larry/winmount
larry ALL = NOPASSWD: /bin/umount /home/larry/winmount/, /bin/umount /home/larry/winmount
[...]
関連項目
- セキュリティハンドブックの、パーティションのマウントの記事
- /etc/fstab — 特にブート時において、どのようにそしてどこに主要なファイルシステムがマウントされるかを定義する設定ファイルです。
- Removable media — システムから容易に取り除くことができるメディア
- AutoFS — Linux カーネルの自動マウントを利用して、必要時にファイルシステムを自動でマウントするプログラム
- Udevil — 「ストレスフリーな udisks の代用」のために作られた、小さい自動マウントのユーティリティ
- CurlFtpFS — allows for mounting an FTP folder as a regular directory to the local directory tree.
- USB/Guide - USB 大容量記憶装置のマウント
- UUID とラベル