ハンドブック:PPC/インストール/Stage

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stage tarballをインストールする

日時を設定する

Gentoo をインストールする前に、日付と時刻が正しく設定されていることを確認するといいでしょう。時刻が正しく設定されていないと、インストールに関するおかしな問題につながるかもしれません。例えば、ベースシステムのファイルは、タイムスタンプを正確に保ったまま展開されるべきです。実際、Gentoo のウェブベースのサービスではセキュリティ証明書を利用しているため、システム時刻があまりにもずれていると、インストール用ファイルをまったくダウンロードできないということもありえます。インストールを進めるには、正確な時計が前提条件となります。

date コマンドを実行して、現在の日付と時刻が正しいか確認してください。

root #date
Mon Oct  3 13:16:22 PDT 2021

表示された日時が 2、3 分以上ずれている場合は、正確を期すため、以下に示す方法のうちいずれかに従って更新してください。

自動

ほとんどの読者は、タイムサーバを利用してシステムに自動で時刻を更新させることを望むでしょう。

Important
一部のマザーボードは、システムの電源がオフになっている間も比較的正確な時刻を保つための、リアルタイムクロック (RTC) を搭載していないことがあります。これらのシステムでは、システム起動のたびに、そしてその後定期的に、システム時刻を時刻サーバと自動的に同期するように設定するのがとても重要です。これは RTC を搭載しているけれど、バッテリーがだめになってしまったシステムについても、同様に重要です。

公式 Gentoo live 環境には、ntpd コマンド (net-misc/ntp パッケージを通して利用可能です) と、ntp.org 時刻サーバを指定した設定ファイルも含まれています。これによって、時刻サーバを利用して、システム時刻を UTC 時刻と自動で同期することができます。この方法はネットワーク設定を必要とし、アーキテクチャによっては利用できないかもしれません。

Warning
自動時刻同期によって犠牲になるものもあります。例えば、システムのIPアドレスや、関連するネットワークの情報が、時刻サーバ(下の例では ntp.org)に明らかにされます。プライバシーが心配なユーザーは、下記の方法でシステム時刻を設定する前に、このことを理解しておくべきです。
root #ntpd -q -g

手動

タイムサーバにアクセスできないシステムについては、date コマンドをシステム時刻を手動設定するのにも使えます。引数として、次のフォーマットを使います: MMDDhhmmYYYY 形式 (Month (月)、Day (日)、Hour (時)、minute (分)、Year (年))。

すべての Linux システムでは UTC で時刻を設定することが推奨されます。タイムゾーンはインストール中にあとで設定します。タイムゾーンを設定すると、時刻の表示がローカル時刻に切り替わります。

例えば、2021年の10月3日 13時16分に設定するには、以下を実行してください:

root #date 100313162021

stage tarballを選択する

Note
すべてのアーキテクチャが multilib オプションを持っているわけではありません。多くは、ネイティブコードでしか動作しません。multilib が最もよく適用されているのは amd64 です。

multilib (32ビットと64ビット)

ベースとなるtarballを適切に選ぶことで、この後に続くインストールプロセスの相当な時間を短縮できます。特に適切なプロファイルを選ぶで効果があります。ステージtarballの選択はこの後のシステム設定に直接影響し、頭痛の種もしくはtwo later on down the lineを減らします。multilib tarballは64ビットのライブラリを使えるときはそれを使用し、互換性を必要とする場合は32ビットのライブラリを使用します。これはインストールされるほとんどのソフトにとってすばらしい選択肢となります。プロファイルを簡単に変更できるシステムが必要な場合は、そのプロセッサアーキテクチャにあったmultilib tarballをダウンロードしなければなりません。

大部分のユーザは、'advanced'なtar ballを選択すべきではありません。これらは特定のソフトウェアもしくはハードウェアのみに必要です。

非multilib (64ビットのみ)

システムのベースとして非multilibのtarballを選択することで、完全な64ビット環境を構築できます。これは事実上、multilibプロファイルへの変更を(可能ではありますが)困難にします。

警告
非mutilibを必要とする明確な理由がなく、単にGentooを使いたいというケースでは、非multilibを選択すべきではありません。非multilibからmutilibシステムへの変更は、Gentooの深い知識と低レベルのツールチェーンが必要です(これはおそらく私たちのToolchain developersを身震いさせるでしょう)。これは気の弱い人への警告ではなく、このガイドの範囲外になるということです。

OpenRC

OpenRC は依存関係に基づく init システム (カーネルが起動した後にシステムサービスを開始するためのシステム) で、通常は /sbin/init にある、システムが提供する init プログラムとの互換性を保っています。Gentoo に由来するオリジナルの init システムですが、他の一部の Linux ディストリビューションや BSD システムでも採用されています。

OpenRC はデフォルトでは /sbin/init ファイルの代替としては機能せず、Gentoo の init スクリプトとは完全な互換性があります。つまり、Gentoo ebuild リポジトリにはデーモンを起動するソリューションがあるということです。

純粋に歴史的理由から、本マニュアルでは OpenRC を使ったインストールと構成設定にのみ着目します。systemd インストールを説明するための書き換え、改良 (下記参照) も計画されています。

systemd

systemd は SysV スタイルの init と rc の、Linux システム向けの現代的な代替です。Linux ディストリビューションの大多数では、第一の init システムとして使用されています。systemd は Gentoo で完全にサポートされており、その意図した目的に合うように動作します。残念なことに、システムに関連するインストールハンドブックのセクションは、書き換えがまだ行われていないか、現在作業中です。もし systemd インストールパスについて、何かがハンドブックから欠けているようであれば、助けを求める前に systemd の記事を確認してください。

Note
Gentoo がインストールされたシステムを OpenRC から systemd に、あるいはその逆に変更することは、技術的には可能です。しかし、変更には多大な労力が必要で、このインストールマニュアルの範囲外です。stage tarball をダウンロードする前に、OpenRC または systemd のどちらをターゲット init システムとして利用するか決定して、対応する stage tarball をダウンロードしてください。

stage tarball をダウンロードする

ルートファイルシステムがマウントされている場所、Gentooのマウントポイント(おそらく/mnt/gentoo)に移動してください。

root #cd /mnt/gentoo

グラフィカルブラウザ

完全なグラフィカルウェブブラウザがある環境を使っているひとには、stageファイルのURLをメインウェブサイトのダウンロードセクションからコピーするのに何の問題も無いでしょう。単純に適切なタブを選択して、stageファイルへのリンクを右クリックして、Copy Linkしてクリップボードにリンクをコピーして、コマンドライン上でwgetユーティリティにリンクをペーストして、stage tarballをダウンロードします。

root #wget <PASTED_STAGE_URL>

コマンドラインブラウザ

伝統的な読者や'古参'の Gentoo ユーザで、コマンドラインのみで作業をする人たちは、グラフィカル環境を必要としないメニュー形式のブラウザである links (www-client/links) を使うほうを好むかもしれません。stage をダウンロードするために、Gentoo ミラーリストに飛んでください。

root #links https://www.gentoo.org/downloads/mirrors/

linksでHTTPプロキシを使うには、-http-proxyオプションにプロキシのURLを渡してください。

root #links -http-proxy proxy.server.com:8080 https://www.gentoo.org/downloads/mirrors/

links に似た lynx (www-client/lynx) というブラウザもあります。links と同じくグラフィカル環境を必要としませんが、メニューはありません。

root #lynx https://www.gentoo.org/downloads/mirrors/

プロキシを定義する必要があるならば、http_proxyftp_proxy変数をexportしてください。

root #export http_proxy="http://proxy.server.com:port"
root #export ftp_proxy="http://proxy.server.com:port"

ミラーリストから、近くのミラーを選んでください。通常はHTTPミラーで十分ですが、他のプロトコルも使えます。releases/ppc/autobuilds/ ディレクトリに移動してください。入手可能なすべてのstageファイルが列挙されています。ファイルは、サブアーキテクチャにちなんだ名前のサブティレクトリの中にあることもあります。ファイルを選び、dを押してダウンロードしてください。

stageファイルのダウンロードが完了したら、整合性を検証してstage tarballのコンテンツが正当か確認することができます。興味のあるひとは次節へ進んでください。

stageファイルの検証と確認に興味が無いひとは、qを押すことでコマンドラインブラウザを終了して、stage tarball を展開する節へすぐに進むことができます。

検証して確認する

Note
今では、ほとんどの stage は init システムの種類に応じて明示的に (openrc または systemd と) 接尾辞が付けられていますが、アーキテクチャによっては、これらがまだ無いものもあります。

MinimalインストールCDのときと同じく、stageファイルを検証して確認するためのファイルもダウンロードすることができます。これらの手順は飛ばしてもかまいませんが、ダウンロードしたファイルの妥当性を気にするユーザのためにこれらのファイルが提供されています。

  • stage tarball内のファイル一覧を含む.CONTENTSファイル。
  • stage ファイルの各種アルゴリズムでのチェックサムを含む.DIGESTSファイル。
  • .DIGESTSと同様にstageファイルの各種アルゴリズムでのチェックサムを含み、それがGentooプロジェクトから提供されたものであることを保証するために電子署名された.DIGESTS.ascファイル。

opensslを使って、その出力を.DIGESTS.DIGESTS.ascファイルに含まれるチェックサムと比較してください。

例えば、SHA512チェックサムを検証するには以下を入力します。

root #openssl dgst -r -sha512 stage3-ppc-<release>-<init>.tar.?(bz2|xz)

sha512sumコマンドを使う方法もあります。

root #sha512sum stage3-ppc-<release>-<init>.tar.?(bz2|xz)

Whirlpoolチェックサムを検証する場合は以下を入力します。

root #openssl dgst -r -whirlpool stage3-ppc-<release>-<init>.tar.?(bz2|xz)

これらのコマンドの出力を.DIGESTS(.asc)ファイルに記録されている値と比較してください。これらの値は合致している必要があります。合致していないのなら、ダウンロードしたファイルか、ダイジェストファイルが壊れているかもしれません。

ISOファイルと同様に、チェックサムが改竄されていないことを確認するために、gpgを使って.DIGESTS.ascファイルの電子署名を検証することもできます:

root #gpg --verify stage3-ppc-<release>-<init>.tar.?(bz2|xz){.DIGESTS.asc,}

リリースメディアに署名するのに使用された OpenPGP 鍵のフィンガープリントは、Gentoo ウェブサーバのリリースメディアの署名ページで確認できます。

stage tarball を展開する

ここで、ダウンロードした stage を解凍しましょう。tar ユーティリティを使ってください:

root #tar xpvf stage3-*.tar.xz --xattrs-include='*.*' --numeric-owner

上のコマンドと同じオプション (xpf--xattrs-include='*.*') を使っていることを確認してください。xは展開(extract)を示し、pはパーミッションを保持(preserve)すること、fは処理対象が標準入力ではなくファイル(file)であることを示しています。--xattrs-include='*.*'は、アーカイブに保存されている拡張属性をすべての名前空間について保持し含めることを示しています。最後の--numeric-ownerは、たとえ冒険的なユーザが公式 Gentoo live 環境を使わずに作業をしている場合であっても、tarballから展開されるファイルのユーザIDとグループIDがGentooリリースエンジニアリングチームの意図通りに保たれることを、確実にするためのものです。

これでステージファイルは展開されました。この続きはコンパイルオプションを設定するで。

コンパイルオプションを設定する

はじめに

システムを最適化するために、Portage(Gentooの公式なパッケージマネージャ)の挙動に影響する変数を設定できます。これらの変数はすべて環境変数として(exportを使って)設定できますが、export による設定は永続的なものではありません。

Note
シェルのプロファイルまたは rc ファイルを利用して変数を export することは技術的には可能ですが、これは基本的なシステム管理の方法としてはベストプラクティスではありません。

Portage は実行時に /etc/portage/make.conf を読み、ファイルに保存された値に基づいて実行時の振る舞いを変えます。make.conf は Portage の第一の設定ファイルと見ることができますので、その内容には注意して取り扱ってください。

注意
/mnt/gentoo/usr/share/portage/config/make.conf.exampleに、すべての利用可能な変数のリストが、コメント付きで記載されています。make.conf についてのさらなるドキュメンテーションは、man -LC 5 make.conf を実行することで確認できます。(訳注: 日本語版は 10 年以上更新されていません。-LC を付けて最新の英語版を参照してください。)

Gentoo のインストールを成功させるために最低限設定する必要がある変数は、以降で示すものだけです。

これから詳しく見ていく最適化変数を設定するために、エディタ(このガイドではnanoを使います)を起動してください。

root #nano -w /mnt/gentoo/etc/portage/make.conf

make.conf.example ファイルを読めば、記述形式は分かるでしょう。コメント行は # で始まり、他の行は「変数="内容"」の形式で変数を定義します。これらの変数のうちのいくつかについて、次の節で見ていきます。

CFLAGS と CXXFLAGS

CFLAGSCXXFLAGS変数はそれぞれ、GCC CコンパイラとC++コンパイラのための最適化フラグを定義します。この2つの変数は通常ここで定義されますが、真に最高のパフォーマンスを発揮するためには、このフラグはプログラム毎に別々に設定する必要があるでしょう。すべてのプログラムは異なるからです。しかし、それでは管理が大変なので、make.confファイルでこれらのフラグを定義します。

make.confでは、一般にシステムの応答が速くなるように最適化フラグを設定するべきです。この変数に実験的な設定を書かないでください。過剰な最適化はプログラムの挙動をおかしくすることがあり、クラッシュや誤動作の元となります。

ここではすべての最適化オプションを説明することはしません。すべてを理解するためには、GNUオンラインマニュアルやGCC infoページ(info gcc - Linuxシステムでのみ使えます)を読んでください。make.conf.exampleファイルにはたくさんの設定例と情報が含まれているので、これを読むこともお忘れなく。

最初の設定は-march=または-mtune=フラグです。これはターゲットアーキテクチャの名前を指定します。可能な選択肢はmake.conf.exampleファイル内にコメントとして書かれています。nativeを指定すると、コンパイラは(Gentooをインストールしようとしている)現在のシステムのアーキテクチャをターゲットとして選択してくれるので、よく使われます。

ふたつめの設定は-Oフラグ(ゼロではなく大文字のオー)です。これはgcc最適化クラスフラグを指定します。可能なクラスは、s(サイズ最適化)、0(ゼロ、最適化無し)、1、2、3(速度最適化)です。速度最適化については、各クラスは1段階前のクラスが持つものと同じフラグに加えて、追加のフラグを持ちます。-O2は推奨されるデフォルト設定です。-O3をシステム全体で使うと問題を起こすことが知られているので、-O2にとどめることをおすすめします。

他によく使われる最適化フラグには-pipeがあります。これは、コンパイルステージ間での連絡方法として、一時ファイルではなくパイプを使うよう指定します。生成されるコードには影響しませんが、より多くのメモリを使うようになります。メモリの少ないシステムでは、gccが強制終了するかもしれません。そのような場合には、このフラグは使わないでください。

-fomit-frame-pointerを使うと、必要の無い場合にはフレームポインタをレジスタに保持しなくなります。これはアプリケーションのデバッグ時に深刻な影響を与えるかもしれません。

CFLAGSCXXFLAGS変数を定義するときには、最適化フラグは1つの文字列として結合してください。stage3アーカイブから解凍したデフォルト値で十分でしょう。以下に例を示します:

CODE CFLAGSCXXFLAGS変数の設定例
# すべての言語において設定するコンパイラフラグ
COMMON_FLAGS="-O2 -mcpu=powerpc -mtune=powerpc -fno-strict-aliasing -pipe"
# 同じ設定を両方の変数に使用
CFLAGS="${COMMON_FLAGS}"
CXXFLAGS="${COMMON_FLAGS}"
Tip
各種コンパイルオプションがどのようにシステムに影響するかについてはGCCの最適化の記事に詳しい情報がありますが、初心者がシステムの最適化を始めるにはSafe CFLAGSの記事のほうがもっと実践的な場所かもしれません。

MAKEOPTS

MAKEOPTS 変数は、パッケージのインストール時にどれだけ並行してコンパイルを走らせるかを定義します。CPU のスレッド数か、システム全体の RAM を 2 GiB で割った数のうち、小さい方を選択するのがよい選択とされています。

Warning
ジョブ数を大きくすると、メモリ使用量にきわめて大きな影響を及ぼします。目安は、指定したジョブ数の各ジョブに対し、最低 2 GiB の RAM が割り当てられるようにすることです (つまり、例えば -j6最低でも 12 GiB を要求します)。メモリが枯渇しないようにするには、利用可能なメモリ容量に合うようにジョブ数を減らしてください。
Tip
並列 emerge を使用する (--jobs) と、実効的なジョブ数が指数関数的に (make ジョブ数 × emerge ジョブ数まで) 増大することがあります。これに対しては、localhost-only distcc 構成によって、ホスト当たりのコンパイラインスタンス数を制限することで対処することができます。
CODE make.confのMAKEOPTSの設定例
MAKEOPTS="-j2"

よーい、ドン!

好みの設定に合わせて/mnt/gentoo/etc/portage/make.confを変更し、保存してください。nanoではCtrl+xで保存できます。

それではGentooベースシステムのインストールに進んでください。