日本語を使った読み書きの方法
このガイドでは、非日本語環境でどのように日本語を読み書きするか説明します。このガイドは、個人的な知識もしくは経験を元に自由に編集できます。(訳注:自由に編集できるのは翻訳元である英語のガイドです)
要件
日本語および日本の文字をサポートするために、いくつかのツール、ライブラリ、およびそれらをインストールするための知識が必要です。
日本語フォント
ほとんどの非日本語環境は日本語フォントをインストールしていません。単にユーザーが日本語のキャラクターをキーボードから入力しようとした時でさえ、画面上の文字が出るはずであろう場所に小さい長方形しか見られません。
入力メソッド
日本語で読み書きするために最初にしなければならないことは、キーボードで日本語の文字を入力することです。これは"入力メソッド"と呼ばれるソフトを通して行われます。今のところ、日本語については2つの標準的な方法があります。"anthy"と"mozc"です。
それらのソフトウェアで"ta"とタイプすると、ワードプロセッサーにひらがなのたが入力されます。入力メソッドの動作に関連したいくつかの単純な操作で、ひらがなのたをカタカナのタに簡単に変換できます。
同様に、"nihon"はにほんを入力することになり、さらに別の単純な操作で漢字 日本に変換できます。
このガイドの目的は"anthy"や"mozc"がどのように動作するかを説明することではありません。これらソフトウェアの詳細についてはそれぞれのドキュメントを参照してください。
IME
さらに、日常使用する第一言語のための入力メソッドから、日本語の入力メソッドに切り替える手段が必要でしょう。この機能はapp-i18n/ibus、app-i18n/scim、app-i18n/fcitxのようなIME (Input Method Editor)と呼ばれる別のソフトウェアから提供されます。
一度それらをインストールすると、ユーザーはキーの組み合わせもしくはアイコントレーにあるアイコンをクリックすることで、ある言語の入力メソッドから日本語の入力メソッドに切り替えることが可能になります。
インストール
日本語フォント
最低限、media-fonts/kochi-substitute パッケージをインストールしてください。
root #
emerge --ask kochi-substitute
追加で次のようなパッケージが使用可能です。
- media-fonts/ja-ipafonts
- media-fonts/vlgothic
- media-fonts/mplus-outline-fonts
- media-fonts/monafont
- media-fonts/ipamonafont
- media-fonts/sazanami
入力ツール
scimよりもibusが推奨されます。
ibusを使用するために、app-i18n/ibus-anthyをインストールしましょう。
root #
emerge --ask ibus-anthy
mozc
mozcはapp-i18n/mozcパッケージに含まれています。
mozcは、過去何年も良好に動作してきたanthyより優れていると評判です。mozcの利点として、入力の途中で即座に変換候補を表示すること、およびユーザーの癖や文脈から最も適した候補を提示できるより良い学習システムを持つことがあげられます。またmozcは、ひらがな入力をカタカナ(例:デフォルトではスペースを押す前にF7を押す)もしくは他のモードに素早く切り替えるための、ATOKのようなメカニズムも提供します。
mozcを使う時、いくつかの問題が発生するかもしれません。ibus-preferencesグラフィカルユーティリティで入力メソッドとしてmozcを選択後、キーボードアイコントレーにmozcアイコンが表示されない可能性があります。gnome settings --> Countries & Languagesを開き、すべての日本語入力メソッド(今の場合は"anthy")を消去して、"Japanese(Mozc)"を追加してください。
ログイン時、ibusデーモンを起動する
~/.xprofileファイルに以下の行を追加して、一旦ログアウト後、再度ログインしてください。
~/.xprofile
export GTK_IM_MODULE=ibus export QT_IM_MODULE=ibus export XMODIFIERS=@im=ibus ibus-daemon -drx
これでログイン時にibusデーモンが起動するでしょう。
設定
入力メソッドエディターを設定するために、一般ユーザーで次のコマンドを入力してください。
user $
ibus-setup
別の方法として、GNOMEを使用している場合は、サーチバーで"ibus"を検索し、"ibus-preferences"を起動してください。
ダイアログが表示されるので、Input methodタブを選択して、"japanese-anthy"を加えてください。そしてGeneralタブに戻り、入力メソッドを切り替えるためのキーボードショートカットを定義してください。
LaTeX
日本語で LaTeX ファイルを書くには、必要なことがさらにあります。
ibus-qt
TexMakerやTexStudioのようなエディタでLaTeXファイルを書く際に、 LaTeX コマンドを入力するたびに ibus がクラッシュします(特に{を入力した後)。このような支障を解決するには、app-i18n/ibus-qt をインストールします。
root #
emerge --ask app-i18n/ibus-qt
CJK と XeTeX のサポート
LaTexファイルにまとまった日本語を書く場合、TexLiveにCJKと[xetex]のサポートを加えなければなりません。
/etc/portage/package.useに以下の記述を追加してください。
/etc/portage/package.use/latex
cjkとxetexのサポートを有効にするapp-text/texlive cjk xetex app-text/texlive-core cjk xetex
そして、パッケージを再インストール:
root #
emerge --ask --newuse app-text/texlive app-text/texlive-core
動作する LaTeX の短い例:
japanese.tex
\documentclass{article} \usepackage{CJKutf8} \usepackage{color} \begin{document} \begin{CJK}{UTF8}{min} \section{One simple example} \textcolor{red}{これは赤いです。} \\ 私は日本語で書けます。 \\ But I can also write with latin characters \end{CJK} \end{document}
上記例の
\begin{CJK}{UTF8}{min}
コマンドでは、3番目の引数でフォントを選択します。ここで{min}
は明朝体を示しています。他のフォントとしてゴシック体({goth}
)と丸ゴシック体({maru}
)があります。エディタの設定
上記のサンプルをコンパイルおよび可視化するために、TexmakerもしくはTexstudioを適切に設定しなければなりません。
Texmakerを開いて、Options -> Configure Texmakerを選択してください。Commandsタブを以下のよに変更します。
- LaTeX行の"latex"を"platex"に変更。
- Dvipdfm行の"divipdfm"を"dvipdfmx"に変更。
Fast compileタブで"Latex + Dvipdfm + View PDF"を選択してください。
最後に、EditorタブでUTF8エンコーディングを選択し、dictinaly行のOn the flyの選択を解除してください。